二章 もう1人の僕
凛は昨日よりも元気で笑顔だった。昨日までは他人行儀な雰囲気を纏わらせてたのに。
「覚えてないのか?」
「うん。てか昨日話してないじゃん!そもそも写真ってなんのことなん?」
俺の顔が熱い。
「いや、何でもない。」
凛は興味津々で問い詰めてきたが俺が答えないので友達のところに行って話し始めた。
「おはよ。って何で俺の席に座ってんだよ。」
正人は顔を少し傾けて聞いてきた。
「何言ってんだ。ここは俺の席で、」
そういえば今日、俺は正人と一緒に学校に来ていない。席も違う。夢から覚めたということか?いや、覚めたのなら尚更おかしい。
「お前の席。凛の隣だろ。てかとっとと付き合えよ!」
俺はまさかと思い問い詰めた。
「俺と凛って昔から知り合いだった…?」
正人は何言ってんだという顔をしながら
「何言ってんだよお前。お前ら幼馴染じゃん。お前勉強のしすぎで頭おかしくなったのか?先週凛の家で勉強会してくるって言った次の日ヘトヘトになって帰ってきたもんな。」
笑いながら正人は凛の方に目を向けた。凛は顔を赤くして俺の方を見つめていた。
今日一日はなぜか不思議だった。いつもは正人と俺で弁当を食べてるのに。今日は全ての行動を凛と一緒にしてた。
「とおーるー!早く!授業に遅れるよー!」
でもなぜかこれがいつも通りなんじゃないかと、そして昨日よりも今日の学校のが楽しく感じた。やっと目が覚めたんだ。
家に帰るとお袋にアルバムがあるか聞いた。
「なんだこれ」
俺が思っていたよりたくさんの写真があったのだ。赤ちゃんの時の写真。幼稚園でおもちゃの取り合いをしている写真。小学生の時に一緒に遅くまで公園にいて怒られた写真。中学生になって思春期真っ只中でお互いそっぽを向いている入学式の写真。そして高校の入学式で肩を組み合って笑っている写真。どれも懐かしいと感じた。でも覚えていない。
ちょっと待てよ、異変が起きたのは00:00頭とかが猛烈に痛くなった時だ。つまり時間が……俺を左右するのか?厨二病心をそそられるような気分にもなった。だが少しずつ物事が変わっていくとなると流石に恐ろしい。昨日の凛はなんでも知っていた。今回のこともわかるかもしれない。凛に聴きに行ってみるか。俺は階段を降りテレビを見ているお袋に
「凛の家に行ってきます。」
といった。俺は凛の家がどこかわからないが、わかるような気がした。自然と家の前まで行きインターホンを押した。
「はーい。とおるじゃん。どうしたの?」
パジャマを着たお風呂上がりの凛が家から出てきた。そして俺は凛の肩を掴み揺さぶった。
「今日の0時に何か起こる?」
一瞬凛はキョトンとした顔で見つめてきたが、ため息をついて
「…起こるよ」
気づけば俺はベッドの中で時計と睨めっこをしていた。後3分…。
後5秒。
「00:00」
また猛烈な眩暈と頭痛に襲われて唸り声をあげた。人の気配がした
「そこに…だ…れかいる…のか…?」
「お前はまだ。何も知らない。」
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