ODB (Origin Defense Bureau)
視力検査のC
第1話 特殊部隊を呼びましょう
「ひゅっ・・・ひゅう・・・」
瓦礫の山、火の海、バラバラになった人間のパーツ。そこで倒れ込む私。
「生存者発見!」
私、遠野縁(とおのゆかり)は今日、仲間の命と引き換えに生き残った。
「あっ・・・意識が戻りました!」
病院らしき部屋のベッドで目を覚ます。
「あの・・・私は・・・」
白い服のナースらしき姿の女性が慌てている。
「すぐに隊長をお呼びしますね!」
「・・・え?」
なにかの組織なのだろうか。
「あの・・・ここはどこなんですか?」
「え・・・ええ!?記憶喪失ですか!?」
その時、1人の女性が部屋に入る。
「どうした?緊急事態か?」
長い黒髪、鋭い目付き、整った顔立ち、高身長でスリムな体型。
「あなたは?」
「なるほど、記憶がないのか」
「はい・・・そのようで」
呆れた様子で私を見る。
「じゃあ自己紹介からだな・・・ODB、A隊隊長、坂上相良(さかがみさがら)だ」
「・・・なんですそれ?」
「はい、ここはOrigin Defense Bureau(オリジン・ディフェンス・ビューロー)、略してODBです」
もう頭がパンクしてきた。
「その・・・オリジンってのは?」
「オリジンとは電脳世界のことです」
「えっ・・・電脳世界?」
「はい、ODBはそこに行ってアルマという電子生命体を倒すことが主な任務となっております」
また変なの出てきた。
「その・・・アルマってのは?」
「アルマはオリジンから生まれる鉄屑、それをスクラップにする、簡単な仕事だろ」
久しぶりに喋ったと思ったら雑な説明された。てか壁に寄りかかってちょっとくつろいでる。
「アルマにはタイプとレベルがあります」
長いので要約。
アルマにはパワー、スピード、タンク、シューティング、テクニカルの5つのタイプがある。そしてレベル、これは1〜10まであるらしい。
7以上はデンジャーというボスクラスに登録される。
複数の部隊が協力してようやく倒せる強さだとか。
「お前がやられたのは7って聞いてるが」
「そうなんですか・・・あれ?」
部屋の外がなにやら騒がしい。
「縁ー!」
ドアが勢いよく開く。
「あっ津吹(つぶき)さん」
「銃の修理終わったから持ってってやれって・・・てか大丈夫なの!?」
白髪のショートにぼさぼさ頭の少女。多分猪突猛進な人だろう。
「あの、医療棟ではお静かに・・・」
「・・・銃?」
「これも覚えてねえのか」
2丁の銃を渡される。
黒く大きい禍々しさがある銃。白く黒程大きくはない神々しい銃。
「・・・なんかもうめんどくせえわ」
頭に45度のチョップを食らう。
「あだっ!」
「ちょっと隊長!?」
「縁!しっかりして!」
「あっ・・・なんか・・・変な・・・」
「縁さん!あれ自分らだけじゃ無理っす!」
簡単な任務を終え帰る前、新たな敵が現れる。
「隊長呼びましょう!」
「いや・・・やれる」
赤黒く燃え盛る巨大の獣。私は自分の力を大きく見ていた。
勝てると、思っていた。
「はぁ・・・帰ったらなんか奢ってくださいよ!」
「サイゼでもキングでもなんでも奢ってあげる」
獣の咆哮と同時に地面から火が噴き出す。
「・・・はあ?」
一瞬、刹那、瞬き1つできるかもわからない程短い時間。
13人程いた仲間が全員骸となってしまった。
燃えながら叫ぶ者、獣の爪に串刺しにされた者、食い殺された者。
「・・・アルバトロス、ベルグーレ」
アルバトロス、破壊を司る銃の名、寿命と引き換えに威力が増す。
ベルグーレ、回転させればさせる程衝撃が強くなる。
「狙いよし・・・発射・・・ええ?」
照準を合わせた瞬間、獣が視界から消える。
「・・・あっ」
違う、私が吹き飛ばされたんだ。
背中が地面に叩き付けられる。
「ははっ・・・言ってよ・・・そんな強いなら・・・」
なんとか起き上がりアルバトロスを獣に向ける。
「・・・死ね!」
2ヶ月分、普通のアルマなら粉々になる威力だ。
「ぐあーぁ・・・」
当たった、なのに気にも留めない。それどころか呑気にあくびをしている。
「あっ・・・無理だこれ・・・」
・・・違う。
「お前・・・」
当たったんじゃない。
溶けたんだ。
「ズルじゃんか・・・」
体にまとった炎、それによって弾丸が溶かされたんだ。
「あー・・・もー限界・・・」
獣からの追撃、元いた場所へと投げられる。
「ひゅっ・・・ひゅう・・・」
瓦礫の山、火の海、バラバラになった人間のパーツ。そこに倒れ込む私。
「生存者発見!」
私、遠野縁(とおのゆかり)は今日、仲間の命と引き換えに生き残った。
「・・・これが私に起こったことです」
「え、縁・・・記憶戻ったの?あのチョップで?」
「そうっぽいな・・・それはそうと身勝手な行動、処罰な」
「はい・・・」
「そんなことが・・・」
ナースさんもドン引きしている。
「話を聞くとそれは多分炎帝だな」
「・・・伝説のポケモ」
「デンジャー006、炎帝、その身に巻き付く炎で全てを焼き尽くす・・・だとよ」
「縁・・・」
「津吹、銃こっちに渡せ」
「え?それ私の・・・」
「降格だ、こいつらは没収する、文句あるか?」
「ない・・・です」
蛇に睨まれた蛙というやつだろう、抵抗する気すら起きなかった。
それよりも仲間を死なせた罪悪感、あっさりと負けた己の無力。
許されるつもりはない。
「代わりはやる、しっかり働けよ」
銃を1丁投げられる。
「っ・・・これは?」
形状はハンドガンのようだ。全体的に軽く扱いやすい。
「ウロボロス、敵に当てれば当てる程威力が上がる銃だ」
「おー、かっこいい」
「はあ・・・昇進したら返してくれますか?」
「返してほしいなら結果を出せ、まずはそれからだ」
「じゃあリハビリ代わりに射撃訓練行こうよ!」
「ちょっ、引っ張るな!」
3ヶ月後
津吹と隊長室に呼ばれる。
部屋に入るとモニターの前で隊長がなにかを確認している。
「縁、津吹、任務だ」
「イエス、サー、ボス」
「内容は?」
「低級アルマの討伐、ついでにオリジンの調査も頼む」
「はい」
出撃場に移動する。
「2人とも!待ってたよ!」
「四谷さん、お願いします」
サポートの四谷さん、ヘルメットで顔はわからないが本人は美少女だと語っている。
「じゃあ頑張ってねー・・・ゲートオープン」
専用の装置、機械が円を描くように作られている。
その空洞にゲートができる。エメラルドグリーンの不気味な。
「じゃ、行ってきまーす」
「おっ先ー!」
「ちょ・・・1人で行くなって・・・私も行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃーい」
ゲートからは機械音が絶え間なく鳴っている。
「うっ・・・やっぱ慣れないなーこれ・・・」
視界がぐわぐわと揺れる。
気持ち悪さを感じながら転移する。
「ゆーかーりー!おーそーいー!」
先に着いていた津吹に肩を掴まれる。
「あんたが早いんだよ」
ハリボテのビルが立ち並び嫌な空気が漂っている。
今回の空は灰色だ。
「ん・・・無線」
「「こちら四谷だよー」」
「四谷さん、今回のアルマのタイプは?」
「「タンクだってさー・・・あっ、レベルは3だってー」」
「タンクのレベル3、了解」
「津吹、サーチ」
「あい」
分厚い端末、これは通信、位置情報の送信、バックパックの中にあるドローンを使えば索敵、マップの記録ができる。
バックパックの中にはさっきも言ったドローン、鎮痛剤、医療キッド、ライター、携帯食料が入っている。そして隊服の、場所は個人の好みだが腰か胸にナイフを装備しておく。私は胸派。
「「アルマ、接近!」」
2人同時に銃を取り出す。
私のハンドガン、ウロボロス、津吹のアサルトライフル、ケルベロス。
路地裏らしき所から2体が登場する。
説明された通りタンクは卵のような形状に手足が生えている。複数の線があるがおそらく開閉するのであろう。
もう1体はシューティングのようだ。小柄な人の形、右腕がガトリング、左腕がライフルになっている。
「げっ・・・シューティングもいるじゃん」
タンクがシューティングを守るように立つ。
「撃ってきた!」
腕の向きからすると津吹を狙っている。
「シールド展開!」
アーマーの左手のボタンを押す、すると半透明な青い膜が腕から出てくる。
シールドを構えて津吹の前に飛び出る。
「っ・・・怪我は?」
「ない・・・ありがと」
津吹がケルベロスを構える。
発砲音と同時に3発の弾丸が発射される。
「硬っ!なにあれ!?」
卵は馬鹿にするように体を上下に揺らす。
「卵に集中しすぎ!また撃たれる!」
「おっ・・・危な・・・いっ!?」
間一髪で避ける。
「あっ・・・いいこと思いついた♪」
「・・・嫌な予感」
津吹は卵に向かって走り出す。人型の弾を避けながら。
銃口をぴたっと卵にくっつける。
「こうすればさぁ・・・全部当たるじゃん」
反動に耐えながら全弾命中させる。
やがて卵は穴が空き動かなくなった。
「ちょっと!狙われてる!」
シューティングの照準が津吹に向く。
「うわぁ!・・・あれ?」
「はあ・・・世話焼けるんだからさぁ」
腕に弾を当て狙いを外させる。
「うん、いいねこれ」
腕に何発も撃ち込む、撃つ度に人型の仰け反る距離が大きくなる。
爆発のような音と同時に人型の腕が吹き飛ぶ。
「おっ、腕取れんだ」
左腕がもげ、残るは右腕のガトリングのみ。
一発逆手を狙ってかガトリングを私に向ける。
「ここまで当てれば・・・ヘッドで1発よ」
ヘッドショット、頭が砕け散る。
「「四谷だよー、回収班送るから帰っておいでー」」
「はい、今帰ります」
「ご飯ご飯ー!」
「四谷さん、ゲートお願いします」
「「はいはーい、ゲートオープン」」
「じゃあ津吹、帰ろっか」
「うん!」
ゲートをくぐる。
第6回各隊隊長会議
「すまない、遅れた」
A隊隊長、坂上相良
「うわっ・・・まだ辞めてなかったの?お姉ちゃん」
B隊隊長、坂上しのぶ
「やめときましょ?しのぶさん」
C隊隊長、香美夜可(かがみよか)
「無駄口を叩くな」
D隊隊長、野神真姫(のがみまき)
「あわわわわ・・・また喧嘩になっちゃう・・・」
E隊隊長、夏樹恭子(なつききょうこ)
「しのぶ、また処罰を食らいたいのか」
ODB総司令、沙流川紅葉(さるかわくれは)
「だってー」
「さて、今回の議題だ」
モニターに文字が映される。
炎帝討伐作戦
おまけ
「四谷だよー!本編では説明されてないODBの構造について解説するよー」
ODBには総司令、隊長、副隊長、隊所属上級隊員、隊所属中級隊員、隊所属下級隊員、上級隊員、中級隊員、下級隊員、訓練兵がいるよ!
隊に所属してない隊員は主に哨戒班として働くよ!
隊所属っていうのはAからEのどれかの隊に入ることだよ!
縁ちゃんって結構優秀なんだよ?わかった?
副隊長は作者が覚えてたら登場するよ!圧でもかけとこ!
ん?私が優遇されてるって?こんなコーナーもらってるから?
ふふん!なんてったって私は作者の推しだからね!
「四谷さん?さっきからなにやってるんですか?」
「あっ縁ちゃん・・・」
こっ今回はここまで!じゃあね!
「ああちょっとー!」
#1 特殊部隊を呼びましょう 完
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