全身に油を塗るという発想がギャグのようでいて、油谷悠也はそれを本気で“武”に昇華させていく。その真剣さがまず面白い。倉庫での油まみれ修行、師匠アルパルスランの圧、そして柔術・ムエタイ・中国武術といった本格派の達人たちとの対決が、奇抜さと格闘技のリアルを同時に走らせている。掴ませないなら滑らせる、間合いを取るなら組み付く──油×肉体×レスリングの三位一体がどこまで通用するのか、読みながら自然と応援したくなる痛快格闘譚。
普段は重厚で深い心理描写を描くステア1先生が、コメディなんて書かないと思っていましたが、まさかのです!まさか!プロテインの整理券を賭けて「全身にオイルを浴びてネチネチ戦う」という最高にバカバカしいノリなのに、油を塗ることで相手に「掴ませない」という格闘ロジックや、じわじわ相手の精神を削る心理描写の解像度が無駄に高すぎて美しすぎます。脳汁が噴き出すレベルの「深い心理描写×コメディ」の悪魔的融合をぜひ体感してください!