祖父母の家にある、窓のない四畳半の部屋。
そこには、一つの壺が置かれていた。
村に伝わる話によれば、山から化物が下りてきた夜、もっとも若い男児はその部屋で一夜を過ごすという。
壺に川の水を入れて――。
昔ながらの風習。
山の化物。
川の神様。
十五年前に失踪した少年。
ホラー好きな主人公は、絶好の機会だと「壺の部屋」で一晩過ごしてみることにする。
しかし、村に伝わる話には、まだ知らない続きがあった。
「——ちゃぷん。」
何気なく聞いていた伝承の意味が少しずつ変わっていくのが面白い民俗ホラーでした。
昔話というものは、長い年月の間に形を変えていくもの。
だからこそ――本当の意味を知らないまま、再現してはいけないのかもしれません。