「何を書くか」だけではない。
「どう書くか」まで、力になる。
筆で記した文字の意味が現実となる「筆忍」の世界。
それだけでも面白いのですが、さらに惹かれたのが、文字の美しさによって生まれる力まで変わるという設定でした。
筆圧。止め。跳ね。払い。
普段なら「字の上手さ」として見るものが、この世界ではそのまま戦う力になる。
そこへ主人公・墨染駆の「速さ」が加わることで、書道と忍法が一気にこの作品ならではのバトルへと変わっていくのが面白いです。
しかも当の駆は、周囲が驚くほどのものを見せてもどこか飄々としていて、学園へ来た理由も「筆が好きだから」。
この肩の力が抜けた少年が、自分でもまだ知らない才能とこれからどう向き合っていくのか。
第1画だけでも、世界の仕組みと主人公の魅力がすっと入ってきて、その先に待つものまで気になる幕開けでした。
一本の筆と、一文字から何が生まれるのか。
これから駆が走らせる「一画」を、追いかけてみたくなる物語です。