家の中で行き倒れていた、お嬢様女子大生・蕗亜。
そんな彼女を救ったのは、
年下の高校生大家さん・唯志が作った一杯のラーメンでした。
生活力はほぼゼロ。
コンビニでの支払いも、銀行の使い方も、セルフレジも、知らないことばかり。
けれど蕗亜は、ただ誰かに世話をしてもらうだけのお嬢様ではありません。
唯志に教えてもらいながら、一つずつ「暮らすこと」を覚えていく。
そして自分にできること――勉強を教えることで、今度は唯志を支えようとする。
唯志もまた、祖父が入院し、一人で食卓を囲んでいた少年。
だからでしょうか。
庭のハーブを摘み、
一緒に料理を食べ、
買い物へ出かけ、
コーヒーを飲み、
勉強をする。
そんな何気ない時間が、不思議なくらい温かい。
これは、生活力皆無のお嬢様をしっかり者の少年が世話するだけの物語ではなく、
少しずつ互いのできることを持ち寄りながら、
二人で「暮らし」を作っていく物語なのだと思います。
もちろん三歳差の二人の距離には、
思わずニヤニヤしてしまう甘さもしっかり。
でも私が特に好きなのは、
蕗亜が「できた!」を一つずつ増やしていく姿と、
そんな彼女を自然に見守る唯志の優しさです。
まだ物語は始まったばかり。
ふたりの関係は、これからどのように変わっていくのか。
そして、明るく無邪気に見える蕗亜が、
なぜ人との関わりを避けるようになったのか。
まだ見えていない彼女の過去も、
少しずつ近づいていく二人のこれからも気になります。
一杯のラーメンから始まった、この不思議で温かな暮らし。
この先、ハーブの庭でどんな時間が育っていくのでしょう。
続きが楽しみです。