デューラーとハンスの物語も作話のようですが、原作を超えるオマージュを書き上げましたね。あっぱれです。
「幸福」という言葉が、手放しでよろこべる屈託のない喜びの末にあるものかどうか。姉を失った妹の燈と、そこから生まれた一枚の絵。「美しい姉妹愛」として語られ、切り取られるその物語の奥に、語り尽くせぬ事実がある。終始静かな文章の中に、喪失、愛情、そして「幸福であること」への重圧がじわりと浮かび上がる作品。読み終えたあと、タイトルの意味が心に残ります。