夜を闊歩する屍人と人間の境界を歩く者たち、魔物の力を持ちながら人の記憶と精神を持つ屍人狩りでもある。本作は彼らの物語の第三弾だ。第一作で屍人狩りの少女メドリージェ(実際には百年単位の時を生きている)と共に旅に出たエドガルド。彼が旅の途中で立ち寄った村で期せずして山賊退治に関わることになる話で、今回は屍人は出番なし。その代わり大量の伏線が投げ込まれて風呂敷が広がっていく。
一作目で行方知れずになったエドガルドの兄アシエスはどこにいるのか、彼にはどうもまだ秘密があるらしいがそれは何か、メドリージェの目的とその過去は。何だか思わせぶりに断片だけが語られ、いやでも興味を惹かれる。その加減がとても上手い。
果たして一体第何作目まで行けば伏線は回収されるのか? そう思っている時点で作者の術中に嵌まっている気もするが、嵌まりたくて嵌まっているのでよしとしよう。展開の予想できない伏線は大変心地いい。
ついでに第二作の境界を歩く者はどうやらエドガルドではなかった模様。彼は一体誰じゃいと、さらに謎、伏線が増えているな……。