家政婦の「ちょっと図々しい」行動が、少しずつ後戻りできない浸食へと変わっていく過程が最高に気持ち悪いです。高額な化粧水の無断使用、娘への家事の強要、解雇後の居座り、息子を連れ込んでの財産への干渉――一つひとつは別々の問題に見えて、すべてが次の段階につながっています。特に後半、単なる家政婦トラブルではなく、親子が最初から家や財産を狙っていたことが判明することで、序盤の出来事が決められていたプロセスのように心にざらつきを残します。現実にこういう洗脳に近い事件があったのも、知っている読者にはさらなる恐怖をのこす、素晴らしい構造でした。