冒頭から漂う不穏な空気。
淡々と語られる主人公の冷淡な心理描写が、じわじわと読者の心に嫌な影を落とすホラー作品。
学校の日常風景。
そこに潜む無関心や残酷さが、冷たい水を一滴ずつ落とすかのように、静かに、しかし確実に心へ染み込んでくる。
タイトルで読者を引きつけ、余計な説明を削ぎ落とした文章の巧みさで容赦なくぶん殴ってくる。
何気ない描写が不気味な違和感へと変わり、読み進めるうちに、ある一つのセリフがグサリと突き刺さる。
「死ぬのは勝手にしろ」
その吐き捨てるような思考の直後、轟音と生々しい激痛のなかで訪れる「あぁ……そうだったのか……」という気づき。
その瞬間、すべてのピースが最悪の形で噛み合う。
描かれるのは、人間の無自覚な暴力性と、そこから逃れられない因果の連鎖。
そして、読了後にもう一度冒頭を読み返したくなる構成の妙。
短い物語の中に、人間の身勝手さと因果の恐ろしさが凝縮された一作です。
派手な演出や過剰な描写に頼らず、読者の想像力を利用して恐怖を増幅させる。
後味の悪いホラーが好きな方に、ぜひ読んでいただきたい作品です。