近づく距離
4人でのお出かけ当日
ユキと亜子はショッピングモールの前で待ち合わせをした
ユキの隣には日依、亜子の付き添いに大珠がついている
二人はお互いに隣にいる人物を相手に紹介した
「ユキさん、こちら幼馴染みの浦田大珠くんです」
「よろしくお願いします。本宮さん、こっちは僕の妹の日依です」
大珠と日依も、互いに元気な声で
『初めまして!』と挨拶した
4人は店に入る前に、手前の自動販売機で飲み物を買った
店内に入り亜子と大珠はエレベーター、ユキと日依は階段で目的地のある三階へ向かうことになった
しかし日依の強制入れ替えによりユキと亜子がエレベーター、大珠と日依が階段ということになった
大珠が日依に小声で質問すると日依も、自分の口元に手を当てて小声で説明する
『俺が介助するのに、なんで離すんだよ!?』
『二人のお話タイムに丁度いいかと思って あっ、ところでなんでご家族じゃなくて大珠くんが付き添いしてるの?』
大珠がきた理由を説明している頃、ユキも亜子に同じ質問をしていた
「てっきり本宮さん、お父様かお母様と来るんだと思ってました」
「私もその方が心強いと思ってたんですが、あいにく父も母も仕事が入ってしまっていて」
「そうだったんですね」
「はい、大珠『自分が私(亜子)のことも車椅子のこともわかってるから行きたい』って自分から名乗り出てくれました」
亜子の話を聞いて、微笑ましくなった
ユキは頼もしいですねと笑った
二人の会話はそこで終わってエレベーターが三階についた
エレベーターを降りると、ユキはハンドルから手を離して亜子の横を歩いた
ゲームセンターの前に着くと、大珠と日依が先に着いていて二人待っていた
4人は並んでゲームセンターの中に入る
日依はユキに大珠と亜子に聞こえないように質問する
「ゆっくりお話できた?何話したの?」
「ああ 別に、大珠くんの事きいただけだよ」
「おお~!ライバルの情報収集!お兄もなかなかだね~」
「そんなんじゃないって・・・」
ユキが呆れながらツッコミを入れる
二人が話しているとクレーンゲームの前にきた
最初に亜子が、クレーンゲームに挑戦することになった
ユキにコインを入れてもらい、亜子がボタンを操作する
アームはぬいぐるみを掴み運んでいくが、なかなか穴の傍に行くには遠い
「俺がとるよ」
「大珠くん、待って!今二人お近づきのチャンスなんだから」
大珠が傍で亜子たちを見ていて手をだそうとしたが、日依はせっかく兄が、格好つけられるからと大珠を止めた
日依はアイコンタクトをして、ユキが静かに頷く
「本宮さん、僕と一緒にやってみましょうか」
「えっ、はい」
そうして狙う位置をアドバイスする
ユキ
亜子はユキの指示どおりの位置に、
アームを操作する
無事2回でぬいぐるみをゲットできた二人
二人は同じタイミングで声をあげ、
ハイタッチする
「やったね!お兄!」
「俺、こんなに喜んでる亜子ねぇ
初めて見たかも・・・」
作戦が上手く行ったことに喜ぶ日依と、亜子の弾けた笑顔に驚く大珠
亜子はその場でユキからぬいぐるみを受け取った
そして大珠に車椅子の後ろからリュックを取ってもらい、ぬいぐるみを中にしまった
その後、4人はプラネタリウムへ向かった
亜子はここでの移乗が難しかったため、ユキの肩を借りてシートに座る
「綺麗・・・素敵」
「綺麗ですね。満点の星もいいけど
こっちもいいなぁ」
二人は星空をロマンティックに感じた
ユキは隣の亜子の手を無意識に握った
亜子の胸が一瞬ドキリと鳴った
「お兄、意外とやるじゃん。にしてもほんとに綺麗!ね?大珠くん!
あれ?」
「・・・。おれ、こういう静けさに
弱いんだよ・・・んにゃぁ」
「ちょ、ちょっと!今寝てるタイミングじゃないって!起きて!」
後ろの席にて目の前の兄カップルと
上の星空に感激する日依
横にいる大珠は空気に呑まれてしまって、すっかり寝落ちしてしまっている
日依は慌てて大珠の肩を叩いて起こす
後ろでの二人のやり取りを知らず
ユキと亜子は互いの顔を時々チラチラ見ながら星空を楽しんだ
プラネタリウムの時間も終わり
4人は、二階のフードコートでランチタイムにすることにした
亜子と大珠はハンバーガー、ユキと日依はパスタを頼んで、テーブルにそれぞれ座った
早々に食べ終わると今度は、ユキが
亜子と日依にアイスクリームを奢ると言ってそれぞれダブルのアイスを
買ってきた
亜子は日依と、カップに入ったアイスを食べながら大好きな魔法少女マンガについて語り合った
二人はすっかり意気投合していた
帰り際、改めて二人は今日は本当に
ありがとうと互いに礼を言った
すると、亜子は途端に真剣な顔になってユキにあるお願いをする
「ユキさん、私もっとユキさんと距離の近い関係でいたいです。だから秘密じゃなくてプライベートでも友人としてこれからは話したいです」
「えっ・・・」
突然の亜子からの提案に、ユキは驚き、ぼうっと立っていた
亜子はさらにしてほしいことを続けて言い、両手をユキの前に差し出した
「だからこれからは私のこと名字じゃなくて名前で呼んでほしくて、あと敬語もやめてほしいです。生意気言ってすみません」
「・・・ 」
慎重なイメージだった亜子からの
お願いに驚き声にならないユキ
少し気持ちにためらいが出るユキに、
日依が大声でいう
「はいはーい!私も亜子ちゃんって呼びたいでーす!」
「お、おい!日依!」
妹を注意するユキ
亜子は諦めモードで、手を下げようとする
「やっぱりダメですよね」
「うぐっ」
亜子の無意識の上目遣いに思わずやられたユキ
首を振り少ししゃがんで亜子の両手を握った
「ダメじゃないよ。俺がちょっと緊張してただけなんだ。改めて、
よろしく亜子さん」
「は、はい!よろしくお願いします」
こうして二人はプライベートでも仕事でも良き友人となったのだった
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