鬼の居ぬ間に洗濯、という言葉がある。
キツい日が続けば、誰だって羽目を外して遊びたいものだ。
この作品の魔物たちも同じだ。
砦の主の不在に大宴会を始める。
しかし勇者たちにとっては千載一遇の大チャンスである。
というのが本作品のあらすじである。
一見すれば、酔った魔物たちが無情にも全滅させられておしまい。
そんなことになりそうにも思える。
しかし魔物たちにも意地がある。
酔っていたって戦え……ないこともない。
襲撃者たる勇者一行に敢然と……まではいかないが、とにかく立ち向かう。
このバトルが面白い。
そして読みやすく、テンポもいい。
酔ってはいるが、愚かではない。
状況に応じ、各々がしっかり判断して行動していく。
出力される結果は少しアレだが、とにかく全身全霊だ。
気づけばマヌケな魔物たちとマジメな勇者たちの奮闘を応援している自分がいる。
登場人物たちはそれぞれ個性的。
種族もあり、僅かな描写でしっかり性格が想像できる。
時折挟まる小ボケも小気味良くて面白い。
さっくり読めて、笑えて、しっかりバトルも楽しめる。おすすめの短編。