「全人類の投票で魔法を否決される」
まず、この設定がめちゃくちゃ面白いです。
魔人から人類を守る星付き少女。
可愛いマスコットと契約し、魔法を使って戦う――そこだけ聞けば、馴染みのある魔法少女ものを思い浮かべます。
ところが、この世界の魔法少女はかなり物々しい。
国家規模の組織に管理され、魔法を使うにもさまざまな決まりがあり、世界中の人々まで無関係ではいられません。
さらに、魔法を使うことで何らかの徴収が発生するという仕組みもあり、魔法を使えばすべて解決!とはいかないところが怖い。
そして、可愛らしいマスコットたちもただの癒やし枠ではありません。
愛らしい姿や口調なのに、人間とはまるで違う価値観を持っていて、何を考えているのか分からない。
可愛いのに不穏。そのギャップがたまりません。
そんな世界で物語の中心となる日和ちゃんは、どこかのんびりしていて、少しズレた反応をする女の子。
ところが読み進めていくと、「あれ? この子、思っていた子と違うぞ……?」となっていきます。
日和ちゃんを取り巻く人たちも、それぞれ立場や考え方がまったく違っていて、誰か一人の考えだけで簡単に割り切れないところも面白いです。
重く不穏な世界観なのに、登場人物たちのやり取りでは笑ってしまう場面もあり、その落差も好きです。
魔法少女もの。そして、見た目は愛らしいのに、人間とはまるで違う価値観を持つマスコットとの契約。
ここまで聞くと、某魔法少女作品を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、この作品の面白さはそれだけではありません。
契約や投票、世論まで絡んでくる、他とは一線を画した世界観にすっかりハマりました!
魔法少女ものが好きな方はもちろん、可愛いものと不穏なものの組み合わせが好きな方、ダークな世界観や謎を追う物語、そしてそれぞれの正義や価値観が交錯する群像劇が好きな方にもおすすめしたい作品です!✨
あらすじを読んだ時点で「おっ?」と思った作品。
ただ、1話の読み始めは少し世界に入り込みにくかったです。
特別審議官、魔神防災庁、ラムダ……と情報が一気に出てくるので、正直この辺りはあまり頭に入っていませんでした。ここはあとで読み返したい。
そんな中、二話の「熊」のたとえが出てきたあたりから、目が滑らなくなってきました。
魔人という未知の存在を、既知の生物である熊の行動様式に置き換えて説明してくれたことで、対峙する存在のイメージが一気にしやすくなったんですよね。
そして面白いのが、魔法が承認制であること。
「魔法を使うのにも、人類の承認が必要なのかよ」と思いながら読んでいたんですが、しかもリアルタイムで否決される可能性まである。
……これ、実際に魔法を使う側、めちゃくちゃしんどくない?
最初は、少女に厳しい魔法少女ものなのかな、くらいに思っていたんですが、読んでいくうちに少し印象が変わってきました。
この世界では、ただ少女が自分の力で戦うのではなく、「力を使う」という行為そのものが社会の仕組みに組み込まれている。
そして、少女の責任感も、話の流れから自然と伝わってくる。
だからこそ、この世界で力を扱う人たちが、何を背負って生きているのかが気になってきます。
前任執行官の死の理由をさらっと出してくるところも印象に残りました。
そこから、この世界にとっての「力を使う重み」や「まとも」って何なんだろう、と勝手に想像が広がってしまって。
逐一説明せず、少し読者に委ねることで、こちらの想像が動き出す感じが好きです。
物語で使われている魔法とは何なのか。
なぜこんな世界になったのか。
なぜ魔法に承認という仕組みがあるのか。
その理由が描かれたときに、この世界で生きている人たちの行動や、彼らが背負っている責任まで、今とは違って見えてくるなら、さらに面白くなりそうだなと思っています。
魔法少女と特殊部隊という王道的な組み合わせに、国家制度や多数決、魔法の対価という独自の仕組みを組み込んだ世界観がとても印象的でした。
受験を気にする普通の少女・優衣と、最強戦力「バターカップ」としての姿とのギャップも魅力的です。
特に「星付き少女は決してひとりで戦わない」という言葉が、六十億人の支援だけでなく、その意思に縛られる残酷さまで意味しているのが秀逸でした、、、。
イシスとの別れや、最後まで人々を守ろうとする優衣の姿も胸に残ります。
コミカルな掛け合いと凄惨な戦闘の落差も大きく、彼女の最期と伏せられた言葉の意味が強く気になる物語です。
現代ファンタジーというか、魔法少女×社会SF×ミリタリーもの。
魔人と戦う少女たちが国家の特殊戦力として扱われ、魔法を使うための代価は世界中の人間が負担する。さらに強力な魔法になると承認や多数決まで必要になる、という設定がかなり面白い。
設定だけ見ると重そうだけど、主人公のバターカップと監督官イシスの掛け合いが軽妙なので、意外とすんなり入っていける。
そこから実戦が始まると、それまで説明されていた制度や世論がそのまま戦場に食い込んできて、「みんなで支える魔法少女」という言葉が全然違う意味に見えてくるのが良かった。
魔法少女ものの約束事を残しつつ、軍や行政、メディア、一般市民まで含めて一つの世界として組み立てている感じ。
今の公開分だけでも一本しっかり読んだ満足感があるし、最後まで読むとこの先どういう話になるのか一気に気になった。
こういう設定をちゃんと社会側まで広げて描く現代ファンタジーが好きなら、かなり刺さると思う。
世界中の人々から少しずつカロリーを集め、絶大な魔法を行使する「星付き少女」。魔法少女と人類が力を合わせて敵を倒す――そんな希望に満ちた構図が、ここまで恐ろしい意味へ反転するとは思いませんでした。
魔法の使用には厳格な承認手続きがあり、戦闘は全世界へ生中継される。そして人類には、命懸けで戦う少女の魔法を多数決で否決する権利まで与えられています。
明るく愛らしい優衣とイシスの掛け合い、国家組織や特殊部隊による現実的な危機管理、容赦のない魔人の恐怖。この落差によって、戦場の緊張感が一層際立っていました。
「星付き少女は決してひとりで戦わない」という言葉が、これほど残酷に響くとは。
なぜ全人類は彼女の魔法を否決したのか。そして姉を失った十四歳の妹は、同じ世界のために戦えるのか。タイトルの意味を確かめずにはいられない、重厚な魔法少女物語です。