夜の海は、畏ろしい。
何処までも昏い大海原から、寄せては退く
波の音が聞こえる。
休日前の仕事帰りに、いつもの様に
釣り糸を垂れる男。
釣果を気にするでもなく、只 海風に吹かれ
潮の匂いに包まれて心置きなく日常から
解放されて癒される。
彼にとっては、そんなかけがえのない
ひとときだったが…。
突然、リールが悲鳴を上げる。
だが、それは悪夢の先触れ。
生々しさと悍ましさ、それが静かな海を
蹂躙して行く。
目の前に顕現するもの。それは
虹色に光り輝く……ウニ
ではなく…。
男は命辛々アパートへと
帰り着く。
そこで見たものは。
そして ────。
夜の波間へと引き込まれる。そんな臨場感を
味わう事が出来るはず。