自らの喉を削る禁忌の言霊「三音」を宿すハルと、詠唱は遅いが正確無比な術を繰り出す退魔協会の柊。互いの欠落を埋め合うように背中を預け、泥臭く妖鬼に立ち向かうふたりの共闘が鮮烈に描かれます。
割られ続ける鎮め石、かつて町を救い消え去った少女「リン」、そして柊が追い求める師匠の影。張り巡らされた謎が「この町」という一点に向かって収束していくサスペンスフルな構成に、ページをめくる手が止まりません。
傷だらけになりながらもノート片手に「いっしょに探そう」と歩み出すハルの芯の強さが眩しく、過酷な運命の先にどんな真実が待ち受けているのか、物語の深淵を息を呑んで見届けたくなる作品です。