妻に虐げられた男は、昔からずっと
団子虫みたいに縮こまっては、木の葉に隠れ
凝っとしていた。それは幼い頃からずっと
今でも全く変わらない。
これが夕飯だと、皿に盛られた枯葉を
出されても
これといった抵抗をしない。
只、自分の境遇を嘆くだけ。
何とも重苦しい筈の過去を淡々と語る男。
瑠璃色の団子虫 の生は短い。
抵抗する事も、攻撃する事も儘ならない
小さな昆虫の矮小さ。
病に呑み込まれ、変質して行くそれは
自らの 真実 なのかも知れない。
静謐な瑠璃色は増殖し、次第に彼の心に
平静と達観を植え付けて…そして。
因果応報でも勧善懲悪でもない。只、深く
瑠璃色に染まった世界が
新しき黎明を迎えんとする。
恐ろしさと同時に、感動的ですらある
瑠璃色。深い感慨に呑まれる。