炎を宿す拳。
人間の負の感情から生まれる異形「カゲツキ」。
そして、それに抗う力を持つ者――「ラズライト」。
王道の能力バトル。
個性的な仲間たち。
謎を抱えた組織。
そして、次々と広がっていく世界。
そんな中を駆け抜ける主人公・セトは、決して最初から強い少年ではありません。
怖い。
逃げたい。
自分には何もできない。
何度も否定され続けた傷が、今も心の奥に残っている。
だから、敵を前にして立ち尽くす。
だから、逃げてしまう。
それでも――
目の前に、自分より小さく、弱い誰かがいたなら。
足を止める。
振り返る。
そして、拳を握る。
その瞬間、「能力」がただの力ではなく、
誰かを守るための炎へ変わっていく。
ここが、とても熱い。
この作品には、文章の運びや表現など、まだ荒削りに感じるところもあります。
けれど、それ以上に伝わってくるものがある。
「このキャラクターたちを動かしたい」
「この世界をもっと広げたい」
「セトを前へ進ませたい」
そんな、まっすぐな創作の熱です。
月宮、進藤、辻村、柴田、天芽――
次々と登場する人物たちはそれぞれに癖があり、掛け合いも賑やか。
重い過去を抱えながらも、うどんを三十二杯食べ、迷子になり、仲間たちとのやり取りでは思わず笑ってしまう。
この明るさと痛みの同居も、作品の魅力だと思いました。
そして何より、まだ物語は始まったばかり。
セトがこれから何と戦い、
誰を守り、
どんな人たちと出会い、
そして、どんな「ヒーロー」になっていくのか。
荒削りな部分があっても、それ以上に「この先を見てみたい」と思わせてくれる熱が、ここにはあります。
熱い能力バトルが好きな方。
傷を抱えた主人公の成長が好きな方。
そして、誰かのために立ち上がる少年の物語が好きな方へ。
セトの拳に宿る――熱い炎を、ぜひ追いかけてみてください!