語り手が「君」を想う気持ちを丁寧に積み重ねていく物語。出会いの記憶や些細な仕草への気づきがやわらかく描かれ、語り手の純粋さが印象に残る。後半では周囲とのすれ違いが描かれるが、語り手は一貫して「君」を大切に思い続けており、その揺るぎない想いが物語の核となっている。短編ながら、静かで真っ直ぐな主人公の狂気が余韻を残す一作。