鹽夜亮

「ねぇ、たまには歩こうよ」 その一言から始まった、たった一晩の僕達の旅。

猫について、大真面目に考察してみた。

とある二人の問答。

猫の女王と謁見を許された、とある男の話

藍色のうち、錆びてゆく紅色の紫陽花へ。

私は友人との「彼女」の歌を聴きに行く。そこで「彼女」は、私にだけ、手招きをした。

「命を削る」その意味を知る。

煙草を吹かしていた男の脳裏に、馬鹿げた願いが首をもたげる。 次の瞬間、男の目に飛び込んできたのは、理解のできない世界だった。

とあるホテルの支配人を勤める深見秀晴だが、バブル崩壊の余波が全てを蝕んでいく。 彼らは、何を、そして誰を、護っていたのだろうか。

別れを切り出した女性。雨の中、男は何を想うのだろう。… ＊第二話を閲覧するかは各自の判断に任せます。

森の賢者は異形に堕ちてなお、何を憂うのだろう？…

思考せよ。表現せよ。さすれば深まらん。

いつもの道、私は轢死した鼬鼠を目にする。

「人の夢を喰らった獏は、どんな夢を見るのかしら？」……

眠れない夜明けに、彷徨う白昼夢を携えて。

冷め始めた珈琲と、悴む指先に煙草を添えて。プレパラートに今日も私を乗せよう。

創作論と言える程カチッとしてない、雑記です。拙作にも触れたりします。或物書きの変な頭の中を覗いてみたい方はお立ち寄りくださいませ。

静かな狂宴へと、ようこそ。

『俺』は大学時代の友人である『三条』と久しぶりの再会をした。くだらない会話の中に、いつだってきっと大切なものは隠れている。

深夜三時、コンビニ。缶コーヒーと煙草。ただ、それだけ。

全てを失くしても、それでも朝は来る。

『天使』へ。

人生は選択の連続である。当作の主人公、鏡燈火にとっても、それはなんら変わることがない。 …人に、手に取らなかった選択肢の終末を見る勇気は、あるだろうか。

法の支配さえ崩壊した世界。暴力の嵐の中で、『穴山黒羽』は、唐突に全てを失う。 喧騒の終わり、血の海を歩き、彼に近づいた異様に美しい眼をした女は言う。 「あんたは今、今までで一番…

気軽に書いて気軽に読める。なんでもない掌編集です。

私には何もない。これはただの私小説で、メモ書きで、百均のノートにでも書き連ねるべき戯言だ。

ある危機感を抱えた篠崎龍は、助けを借りるために河野真理という異端の精神科医を訪ねる。 交差する平穏な日常とカウンセリングという非日常、人の抱える表と裏、異端と正常…。 篠崎の歩む…

終点

新春の夜、静寂の死を弔って。

私は「咆哮」する私を殺した。…再び、私は陽光の下の私を殺そう。 地獄へ、我が居場所へ。 月明かりの射す、灼熱へ帰還する。

いつも通りの帰り道。いつも通りの靴音。 つまらない、ああ、つまらないつまらない。…

ここは最先端の雑貨屋。人類の英知を取り揃えてございます。お望みとあれば、もちろん商品説明もさせていただきます。

ここは時代遅れの鍛冶屋。選り取り見取り、よってらっしゃいみてらっしゃい。親切な解説付きと来た。

パアンパアン…。 男は常に脳裏に響く破裂音を抱えながら、ある門前街を歩いていく。

これは私にとっての、或阿呆の一生。

不条理との対話を選んだ青年。

個人的に好きな楽曲を紹介していきます。他の作品とは違い、非常にゆるーくやっていくつもりです。お暇なときにでも、ちらりとのぞいていただけたら幸いです。

私は、優しい夢を見る。残り香の消えぬうちに、その跡を。

たまには自分の紹介でもしてみましょうか。

日課を小説にしてみる実験の一つです。ありきたりな情景にこそ、美を。

沙耶が退学してから一年。秀一は心身に不調を抱え、カウンセリングに通う日々を送っていた。日々に行き詰まりを感じる中で、彼はスマートフォンのアドレス帳から、「沙耶」の名前に触れる。

ある食事。その下準備とその後。ただそれだけ。

表象を解体せよ。分解せよ。再構築せよ…。現実を夢と還せ。不条理を描き出せ。そして、比喩の棺桶に、それらを投げ捨てよ。

つかの間の夢の終わり、のお話。

廃墟に惹きつけられる男は、有名なとある廃ホテルを訪れる。その中には、非日常が静かに、そして完璧に、彼を待っていた。

自動筆記によって無意識をむき出しにしようと試みる。意識上の美学や醜悪、倫理などを通り抜けた何かが見つかるはずだ。 一貫する作者の意図は一つ、無意識に最大限の祝福と賛美を。それらの…

古今東西文学、幻想、難解、心理学、哲学、ホラー、恐怖、狂愛、夢、etc... 百文字の内にあらゆる狂気と含蓄を詰め込む実験短編集です。

生きる意味を探さなければならない。焦る私は、訪れた郊外の寂れた湖で、『美』に出会う。

トンネルの出口を振り返る。そこは暗闇だ。もう、随分と離れて遠くなった。 これは一種のサルベージである。 数年前の自分へ。いよいよ、暗闇を葬ろう。

色彩のみを共通のモチーフとした短編集です。話中では明確に『色』に言及せずとも、読者の脳裏にある一つの色彩を浮かび上がらせる事をテーマとしています。絵画のように視界に訴えかけるよう…