あけましておめでとうございます。そしてお久しぶりです。夢月七海です。
つい先日、やっと拙作『ハロウィンの妖怪大作戦』が完結しました。タイトルで述べている通り、十月三十一日に連載を開始して、二カ月以上書き続けてきました。
実はこれには訳があります。十一月の終わりごろに、「あなたの町の物語コンテストに応募するためにお休みをいたただく」と言っていましたが、その後、十二月にパソコンが壊れてしまいまして、修理を出していました。そして、約一か月後に、パソコンが無事に戻ってきて、やっと小説の続きを書くことが出来たのです。
その間に、ネットカフェに行って続きを書くことはありましたが、中々進まずに、ここまで遅くなってしまいまして、大変申し訳ありません。しかしその間も、閲覧してくださったり、応援してくださったりが非常に嬉しかったです。本当にありがとうございました。
さて、ここから先は、『ハロウィンの妖怪大作戦』の裏話や、私の個人的な妖怪に対する思いについて書き綴っていきたいと思います。完全に自己満足で、ネタバレもありますので、お暇ならお付き合いください。
『ハロウィンの妖怪大作戦』は、小説概要で述べたように、私がハロウィンで見た夢がきっかけで書き始めました。それどころか、殆ど展開は夢の通りになっています。
夢で見た話なので、全く整合性がなく、矛盾を必死に直しながら書いていきました。途中で、これは面白いのか? 夢の話だぞ? と思いながらも、何とか一日目は書き終えました。
しかし、登場人物の殆どは、元々私がどこかで使おうと、温めていた人物たちです。田舎生まれの天狗、デパートで働く口裂け女、少年漫画脳な陰陽師、居酒屋を経営するのっぺら坊、細かいですが傘を目深に被った雨降らしの兄も、元々私の中にいたキャラクターたちです。やっとこうして世に出せました。いつか、彼らの物語も書きたいと思っています。
ところで、おすすめレビューで、一矢射的さん(突然名前を出してすみません)より、水木しげる先生の名前を挙げていただき、大変恐縮いたしました。非常に嬉しかったのですが、申し訳ないことに、私は水木先生の作品をほとんど読んだことがありません。
実をいうと、私は小学生の頃は殆ど妖怪や怪談の類を全く読んだり見聞きしたりしてこなかったのです。理由は単純に、怖いからです。よって、同年代が夢中になっていた、『学校の怪談』『トイレの花子さん』を全く見ませんでした。ポンキッキで花子さんが始まると、必ずチャンネルを変えていました。
転機が訪れたのは中学生の頃、友達の間でブームになっていた乙一さんの小説を読んでからです。そのホラーとミステリーの世界に夢中になり、それからは今までと真逆に、妖怪や怪談を中心に読むようになりました。
ホラー映画のワンシーンを少し見てしまっただけで、悪夢にうなされるような私にとっては、大きな変化でした。その、怪しく恐ろしくも美しい世界に魅せられ、自分でも書くようになっていきました。
私にとっての妖怪のバイブルは、『百鬼夜行抄』『tactics』ですね。しかし、もっともっと遡ると、小学生の学芸会の待ち時間の間にいつも流れていた『平成狸合戦ぽんぽこ』の妖怪パレード作戦が根っこにあります。あのシーンは、怖いものが苦手な私でも、見ていてわくわくしました。きっと、私にとっての理想の妖怪像は、必死にあの手この手で、しかしユーモラスに人間を脅かそうとしている狸たちにあると思っています。
……ここまで長々と書いていきましたのは、こうして大好きな妖怪の話を完成させられた喜びが、まだ残っているからです。しかし、まだこれから新しい小説シリーズを書き始める予定があります。こちらの方は、日本を舞台にしたホラー雰囲気の、人間以外も出てくる、まあ、よくわからない話になると思います。
これからも頑張りますので、よろしくお願いします。