猛撃のディープレッド(14) 800字くらい
それと文字数を並べてるだけでは味気ないので、書き上がった分と同じくらいの分量の前話をWIPとして近況ノートへ載せていく事にします。
ある程度纏まったら改めて更新します。
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猛撃のディープレッド (13)WIP 1
「……はっ!?」
気付けば。
奇妙な空間にいる自分を、カドシュは見出していた。
「こ、こは」
見回す。
知っている。
シミュレータで見た通りの、ごく狭い部屋。『海の向こう』で言うところの、戦闘機の操縦席に似た空間。
フットペダル、操縦桿、各種スイッチ。目を引くものは幾らでもある。だが今のアンバーは正面光景に釘付けられていた。
キャノピーの外。もしこれが戦闘機だったなら、空が広がっているだろう向こう側。
そこに、戦闘形態と化したスティアが立っていた。
ただし、優に先程の十倍はあるだろう巨大な姿で。
「でか」
反射的に呟きながら、カドシュは改めて理解する。縮小し、フレイムフェイスの頭部コクピットに収まっているのだという事実を。
そして、思った以上に消耗が早そうだという実感を。
フレイムフェイスは、エルガディア防衛隊が有する特殊装備である。その装着には防衛隊及びフレイムフェイス自身からの認可と、何より装着に耐え得る相応量の魔力が必要となるのだ。
特殊な構造、特別な術式。それらを大量に備えた上、そもそも身体全体が魔力の塊で構成されているとあれば、無理もない話だろう。
現在の正式であるアンバーは特に気にした素振りもしていなかったが、あれは彼女が桁外れの魔力を備えているからだ。
転じてカドシュはどうか。彼もネイビーブルーの一員であり、装着者の資格を備えてはいる。だがそれはあくまで予備であり、長時間の戦闘は想定されていない。
「もって、三分」
たったそれだけの時間の内に、スティアから納得を、勝利を引き出さねばならない。
「なに、十分ですよ」
ホロモニタでカドシュに答えつつ、フレイムフェイスは抜刀。未だ正座させられているリヴァルが見守る前で、二人は相対する。
「そこまでかからないでしょうし」