あおい:「ねえレイナ、さっきの動画見てて思ったんだけど…。タックルで倒れた相手から、そのままボールを奪い取っちゃうプレー、あれってアリなの?ボールは離さなきゃいけないって言ってたけど…」
沙耶:「私も気になっていたわ。反則には見えなかったけど…」
レイナ:「二人とも、よく見てたね!それこそ、ディフェンス最大の見せ場!『ジャッカル』っていう超高等技術だよ!」
千夏:「ジャッカル!?何その名前、ハイエナとかじゃなくて?超カッコいいんですけど!」
レイナ:「でしょ?でも、成功させるには、審判に『ラックが成立する前だ』って認めてもらうための、めちゃくちゃ厳しい条件があるんだ」
あおい:「条件?」
レイナ:「まず、タックルした選手は、一度相手から完全に手を離して、自分の足で立ち上がらないといけない。そして、ボールを奪いにいく選手は、①自分の足でしっかり立って、体を支えていること。②『ゲート』(真後ろ)からプレーに参加していること。この二つが絶対条件!」
沙耶:「なるほど。手や膝を地面につけて体重を支えたり、横から入ったりしたら、その瞬間に反則になるのね」
レイナ:「その通り!そして一番大事なのがタイミング。相手チームの選手がボールを守りに来て、両チームの選手がボールの上で組み合わさった瞬間、『ラック成立』って見なされる。そうなったら、もう手は使えない。ジャッカルは、そのラックが成立するほんの一瞬の隙を突いて、ボールを奪い取るプレーなんだ」
あおい:「うわ……。それって、一瞬でも判断が遅れたら反則になっちゃうってこと?でも、この前見た動画、結構やってなかった?」
レイナ:「ナイスな視点!実は、セブンズではジャッカルは超よくあるプレーなんだ。15人制と違って、ラックに参加する人数が少ないから、サポートが間に合わなくてボールがむき出しになることが多い。だから、ジャッカルが決まりやすいし、決まった時の効果も絶大!一気に流れが変わるビッグプレーになるんだ。まさにボールを狩る、ハンターの仕事さ!」
※「ジャッカル」は最近の改正で「スティール」に用語変更されています