茉琳がスマホで翔をキャンバスに呼びつけた。
「ねえ翔、お出かけしたいの。付き合って」
「まったく、いきなりだね。で、何処へ?」
「あきホンの実家のとこ」
「あそこって、隣の県だよ」
「そっ! 以前たい焼きを食べたとこだしぃ」
「急になんで」
茉琳が言うには、小鞠とアクセの写真集 をネットで見つけて買おうとしたところ、何処にも在庫がなかった。近くの大手本屋で調べてもらったら系列店で1冊在庫があると言う話を聞いたそうな。
翔は茉琳に提案してみる。
「系列店なら、頼んで送ってもらえは良いんじゃないか?」
「それができないんだって、何でも、そこが閉店になるって。だから取り置きとかやらないの。行かなきゃいけないの」
「一人で行けばとは言えないんだよなぁ」
「絶対迷うよ」
「だよね。方向音痴だもんな」
「それも酷いなし」
茉琳はプンプンと頬を膨らます。
「電車で行くことになるけど、いつもの発作でホームから落ちるよ。い〜の?」
茉琳は予告なしで意識を失う。すぐ復帰はするけど。以前あった一酸化炭素中毒の後遺症がある。翔は幾度となく救っている。
「さもありなんなんだよなあ」
翔は自分の頭をガシガシしながら、
「わかったよ。行きましょう。で、いつ行くの?
「明日、9日」
「えっ、急すぎ」
「ごめんなっし。明日で閉店だって、だからなの」
お付き合いありがとうございました。今まで19年間、私の読む活動を支えていた書店が閉店することになりました。残念で仕方ありません。悔しくてノートに書き込みました。最寄りでの文化の発信基地が無くなっていきます。どうしよう。愛媛県が本店の西日本に多くの店舗がある書店です。店舗名だけですが
⚪︎⚪︎書店イケヤ文学館湖西店
スタッフの皆様方、19年間ありがとうございました。感謝を込めて