今日も、ボク黄瀬壮馬の担当回です。
食堂で紅野さんに声をかけられてから、きっかり30分後―――。
同室の竜司に、「ちょっと、外の空気を吸ってくる」と言ってから、ボクは宿舎を抜け出し、屋外炊飯場にやって来た。
少し薄暗くなり始めた炊飯場には、彼女が待っていて、木製のベンチに腰掛けていた。
「紅野さん、お待たせ」
「あっ、黄瀬くん! ゴメンね、夜に呼び出しちゃって」
「いや、そのことはイイんだけどね……もしかしたら、今回、ボクは紅野さんの話を聞くことが出来る数少ない候補の一人かも知れないし」
これは、さっきまでボクなりに考えていたことを言葉にしたつもりで……。
今回も楽しんで下さい!
第六部第2楽章〜アダージョ⑬〜
(芦宮高校広報部・黄瀬壮馬)
