※こちらは、本編の第49話をご覧になってから読むのがおすすめです!
「いやーねぇ、璃々子ったら興味津々やないかぁ。じゃあ、門外不出の――男を落とす《《テクニック》》教えたるわ」
「え? 教えるって……」
その時……おかんの目の色が変わった。
それは母親という立場を忘れた群れの雄ボスを狙う――女豹のように見えた。
「お、おかん……? ちょっと顔が近……」
「まあまあ、璃々子。これも仲直りのスキンシップや思とき。あんたは力抜いて、おかんに身ぃ任せたらええねん」
「身を任せてって…………? …………あっ」
おかんはウチにぴったりと身体をつけた。
着物越しやのに……伝わるふくよかなその胸の感触――。
そして、おかんはウチの顎に手を当てて優しく撫でる。
「まずはこうやって、相手の顔を触るんや。優しく……優しくやで……」
「ちょ……おかん……」
「ふふふ……。璃々子の肌、キレイやなぁ。愛娘ながら嫉妬してしもうわぁ」
「……そ、そんなことあらへんし……」
「ほーら、まーた目を逸らしてぇ。おかんとちゃんと目を合わせなさい」
「あっ……」
なんやこの状況。
顔が熱い。
こんな姿……恥ずかしくておかんに見られたくないのに……。
その手で強引に向けさせられる。
車内に逃げ場はなく――。
手首もおかんに掴まれてしまった。
「女の駆け引きは……攻守の見極めが大事やで。――もし、相手の防御が手薄なら一歩ずつ牙城を崩すんやで……」
「お、おかん……」
「こんな……感じで……」
「ダ、ダメ……」
おかんのウチは顎をあげられた。
優しく、それでも逃げられないくらいの拘束するような力で。
そして、おかんの唇が……首筋に近づく。
脳の裏がそれだけでも痺れきたのに――
「ふぅ〜」
おかんは……その無防備になったウチの首筋に息を吹きかける。
その瞬間――首筋から全身に静電気のような得も言われぬ快感が走る。
「んっ……」
聞いたことがない声を出してしまい、ウチは顔から火を噴き出しそうになる。
しかし、おかんの攻勢はさらに増していく。
「なんや、璃々子。ええ声を出すなぁ」
「お、おかん……。お、お願い……これ以上は……」
「ふふふ……。やっぱり親子やなぁ。アンタの反応……あの人とそっくりや。寝取った頃の熱い夜を思い出すなぁ……♡」
「おかん……もう、堪忍して……」
だが、すでにスイッチが入ってしまったおかんはウチの両手首を掴み、しっかり押さえつけたあと……。
チュッ。
首筋に……キスをしてきたんや……。
「あっ……! あぁん……」
あかん。
なんやこの感覚……。
頭がトロトロになってきた。
身体が痺れて言うこと聞いてくれへん……。
「なに変な声出してんや、璃々子。小さい頃からアンタにはチューしまくったやないか」
「そ、そんな……昔のこと……言われても…………あんっ! ほ、ホンマに、あかん……! おかん……」
「ふふふ……。まだまだいくでぇ……」
おかんは首筋にキスをしたまま、ウチの胸や太ももまさぐった。
いやらしくも心地が良いその手つきに――ウチは《《もう》》……!
それからおかんの攻勢が終わった時、ウチは汗をかき、息をはぁはぁと吐いていた。
「アンタもなかなか演技がうまいなぁ。そんなおかん相手に発情するような演技しちて……。可愛いところもあるんやな。顔をそんな紅潮しちゃって――」
「……………………」
「ん? ――アンタまさかぁ?」
「……………………」
「ちょっと、《《ソコ》》触らせてもらうでッ!」
「!!!!!」
そして、忍び寄る……おかんの細くて長いその人差し指と中指――。
「ちょっ!!?? おかん!?!? アンタなに考えてんの!?!?」
「それはこっちのセリフやで!! アンタのソコが《《濡れていたら》》……跡継ぎ問題で、私がまた明藤財閥の親族に嫌味言われる可能性があるからなぁ!」
「ちょ!!!! 心配しているとこそこ!?!?」
「ええから、早う!!」
「ホンマ、やめて!! そこだけは……そこだけはアカーーーーーン!!!!」
〇
車内の空気は夏でもないの、この一瞬で蒸し暑くなった。
おかんはカバンからティッシュを取り出し《《その指を拭いた》》。
そして、大きくため息をつき、こう言った。
「アンタの性癖――どないやねん」
「それはこっちの台詞やぁああああああああ! 娘を襲う母親がどの世界におんねん!!!!!」
ウチは過去一、大きな声を上げた。
「はぁ……。こんなんただのスキンシップやん。それなのに……。ホンマ、アンタの将来がこわいわぁ」
「こわいのはアンタやぁあああああああ!!」
「まあ、とにかく……これでわかった」
おかんは手をポンと叩いたあと、人差し指をピシッと立てた。
「アンタはしょーもないほどのMやな」
「それを今回の結論にするつもりなんか!?」
「あかんなぁ……。私はドSやし、なんてアドバイスしてええか、わからへん。……あ、そうや。ドMのあの人に聞くのはどうやろ?」
「おとんに思春期の娘のデリケートな部分の相談をさせようとするなぁああああああああ!! ちゅーか、両親がSかMかなんて話聞きとうないわ! おとんがMとかもう嫌すぎる!!」
――こうして、ウチら親子は、距離が空いてしもうた氷のような冷え切った関係から……身が悶えるような熱いジャングルの熱帯夜のように一気に仲良くなったとさ……。めでだし、めでたし。
「確かに……湿度が高いって意味やんな?」
「ええ感じにまとめようとしてんやから、入ってくるのやめて!!」
(完)
◆◆◆
作者の独り言。
これってアウトな表現なのかなぁ……?(笑)
BANされないように運用を頑張りますが……たぶん、大丈夫!
注意されたら速攻消しますので、是非とも脳裏に焼き付けてください!
面白いなぁって思ったら、いいね!や感想ください(笑)