「元勇者で最強の酔っぱらい初老騎士が、なぜか弟子や聖女や猫娘に好かれて、世界を救う旅に出る。」
4、薄水色の小さな花束
「私ね、お腹に子供ができたの」
それを聞いて、俺は絶句してしまった。
祝福をするのが当然だが、この世界はあまりにも歪んでいた。
一週間ももたずにその花は枯れてしまった。
まるで俺自身を見ているようだった。どんな美しいものを手に入れても、俺には何も残らない。あの時感じた寂しさは、今でも心に残ったままだった。
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