「ゆらぐ」とは、何か?
ひとつのところに落ち着いていないで、ふらふらと揺れることですね。
これはとっても大切なことなんですね。
なぜなら、世界はゆらぎから立ち上がってきたからです。
以前に、宇宙の最古の光の痕跡、宇宙背景放射(コズミック・マイクロウェィブ・バックグラウンド、略してCMB)の話をしました。
これは全天に降り注いでいます。そして、近年の観測により明らかになったことですが、非常に微かですが揺らいでいます。
ごく初期から宇宙には揺らぎがあった。
そしてそれが今の宇宙の構造を作ったと言われています。
逆に言えば、この揺らぎがなければ、恒星や惑星や、私たちも存在しなかった。
揺らぎがあることによって生まれた差異が私たちを形作った。
「アイスも、そうなの?」
あ、UDPちゃん。
そうだよ、アイスもなかったと思うよ。
「ふうん、そんなのあたし、いやだな……」
もし揺らぎがなかったなら、宇宙はいつまでも何もない平板な空間だっただろうと言われています。
「つまんない……」
あ、今のこの宇宙にはアイスもあるから、安心してね。
「うん」
そして、その揺らぎを持ちながら、今もCMBはごく微かに囁く信号のように全天に降り注いでいます。
こういう言い方を許してもらえるなら、
「いつまでも、私たちと共にあろうとしている」
そんなの、ただの物理的な事象だって、片付けることもできます。
その方がすごく簡単!!
でも、そこに意味を見出すことができるのも、また私たちですものね。
「モロー博士の島」の主人公がこのCMBのことを知っていたなら、彼はエピローグでどのように語っただろう? と思います。
ウェルズさんの時代には、ビッグバンだとか、全天に降り注ぐ微かな宇宙の呼び声だとかはまだ知られてなかった。
はい、詩的な表現に目のない作者です:)
知ることによって、変わることができるのも、また人間ですもんね。
いつになく、まじめだなあ。
あ、そうそう、この物語の中で、今回のテーマに触れている箇所があります。
それは第6話ですね。
たった2行に凝縮されていますが、作者としては、ここが一番大切だよ~と思って書きましたので、よろしければ探してみてください。
うん? UDPちゃん、まじめな顔して、どしたの?
「あのね、あたし、ほんとにアイスがこの宇宙にあるか確かめたい」
「それからね、アイスの味が本当にするのかも」
また、一本とられました。
チン