色々あった冬を越えて、優しい春になりました。
風は杏仁豆腐の匂いで、桜の花は和菓子の匂い。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
ひとつ前の近況ノートから随分時間が空きましたが、私Fata.シャーロックは、変わらず元気に過ごしています。
ガス屋の嫌がらせで家のガスボンベを持っていかれ(こちらは法律上の違反もなく、お金だって未払いどころか過払い状態だったのに)、料理をすることもお風呂に入ることもまとも出来ない状態ですけども、不思議に楽しい気持ちなのです。
そうそう、先月末には、私史上最高の作品を公開することが出来ました。
小説「クロイツェル・ソナタ」
A-dur――それは嵐の前兆。狂気と破滅のイントロダクション。
https://kakuyomu.jp/works/16818622171972312739書き終えた瞬間に、涙が出ました。
正義とは何か、愛とは何か、真実とは何か……
そうした永遠のテーマに私なりの答えを出した作品です。
読む人によっては、ただの政治風刺・嫉妬殺人の小説だと思われるかもしれない。でも皆さんが、主人公ロビンのモノローグにそっと心を通わせてくださるなら、きっと私が言葉の中に隠した、言葉以上のものを感じて頂けると思います。
またこの小説は、ベートーヴェン作曲のヴァイオリン・ソナタ第九番が下敷きに在り、トルストイの同名小説からも着想を得て、再解釈した「音楽小説」でもあります。(トルストイもベートーヴェンのこの曲を元に小説を書いたのです)
ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」には、あり得ないような逸話があります。多くの人間が狂気と激情の連鎖反応に巻き込まれた(私もその一人)、まさに魔の曲です。
以下にご紹介するサイトの解説を合わせて読んで頂けると、さらに面白さを感じられると思います!
飯尾洋一の音楽夜話 耳たぶで冷やせ Vol.2
《クロイツェル》の魔力〜天才の傑作が連鎖反応を引き起こす
https://ontomo-mag.com/article/column/iiongaku02/【名作文学と音楽(11)】「ああ!……あのソナタは恐ろしい作品ですね」 トルストイ『クロイツェル・ソナタ』
https://www.47news.jp/9413087.htmlベートーヴェンを揺さぶったアフリカ魂。『ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47《クロイツェル・ソナタ》』
https://www.classic-suganne.com/entry/2021/05/30/202136私もぼそぼそとTwitterで自作の考察をしています……
https://x.com/Sherlock_Rio/status/1908083658143199537ありとあらゆる要素が次々と交差しながら、未来に繋がって行く。聖書にも「万物が盃となる」という言葉がありますが、それはなんて不思議で、素晴らしいことでしょうか!
その連鎖に皆さんも参加して頂けたら、とても嬉しいです。
春ですね。これから何か、新しいことが始まる季節。
私は自分の生と世界のための大仕事を、ひとつ終えたような気持ちで、草むらに寝っ転がっています。