【注意⚠️】
こちらは、学園ミステリー【神様ですら、きっと知らない】の盛大なネタバレを含む後書きです。
読まれる方は、お気を付けください。
********************
【神様ですら、きっと知らない】非公開座談会
悠里
「皆さん、こんにちは。雨宮悠里です。この度は、藤原清蓮作【神様ですら、きっと知らない】をお読みいただき、ありがとうございました。僕たちの物語、いかがでしたでしょうか。今日は、僕たち出演者が――」
弥生
「ちょっと待って、雨宮さん。ちょっと……」(笑いを堪えてる)
悠里
「な、なんだよ」
弥生
「あ、あまりにも棒読み過ぎて……しかも、僕たちって! あははは!」
悠里
「だっ! 仕方ないだろ! ここに『僕たち』って書いてあるんだよ!」
今江
「まぁまぁ、そう笑ってやるな、弥生ちゃんよ。仕方ないんだよ。これは。だって、悠里はコミュ障だからさぁ……クククッ……」
悠里
「ちょっ! なんなんですか、今江さんまで! おい、藤崎! そんなん笑うなら、お前が進行役やれよ!」
弥生
「え、やだよ。せっかくじゃんけん勝ったのに、なんで私がやるの。負けたのは雨宮でしょ」
悠里
「普段、めちゃクソ弱いクセして、なんで今回は……(ブツブツ)」
弥生
「えぇ〜? 何ですかぁ?(悠里のブツブツを聴こうと身体を寄せる)」
箕輪
「ああ、もう! そこの二人! 読者を置いてけぼりにすんじゃないよ! ったく! 雨宮、それ貸せ!(悠里が持っている台本を奪い取る) さて。気を取り直して。皆さん、こんにちは、こんばんは、または、おはようございまぁす! 【神様ですら、きっと知らない】略して【カミシラ】、いかがでしたか? 水泳部エースで、弥生ちゃん達の良き先輩役でした箕輪高志です!
俺たちの活躍、楽しんでいただけましたかね? つっても、俺の名シーンガッツリカットされてんだよなぁ。水泳部の活動シーンなんて丸々カットされたからな」
桜井
「高志は良いだろ。ラストまで登場したんだし。俺なんてほぼモブ扱いになってた。あ、どうも皆さん、はじめまして。襲われて大怪我してフェードアウトした水泳部2年の桜井千尋です。忘れてた方は、良かったら【カミシラ】を再読してもらえたら……」
弥生
「桜井先輩も、名前だけならラストに出て来てましたよ?」
桜井
(目を細め弥生を見る)
「それで俺が満足したとでも……?」
知子
「はいはいはいはい!! それ言うなら、私だって! 弥生の親友なのに、後半いつの間にかフェードアウトさせられたー! 酷くないですかぁ!? あ、皆さん、こんにちは〜! 藤崎弥生の親友役で大事なシーンには必ず登場の、三上知子です! 好きな食べ物は、イチゴとモモ。好きなタイプはぁ〜」
箕輪
「はいはいはいはいー! 終了ぉー! ありがとうございましたぁー!」
知子
「待ってよ、先輩! まだ全然自己紹介出来てない!」
大川真由実
「ちょっと待って! みんな忘れてると思うけど、私なんて【第3話 水泳部】以降出てないですけどぉ!? 読者の皆さま、こんにちはぁ! みんなのアイドルマネージャー、大川真由実でぇすっ♡」
(全員が真由美を憐れんだ目でみる)
大川真由実
「ちょっと……そんな目で見ないで……見ないでぇ!!」
(泣きながら第二図書室を出て行く)
悠里
「出ていっちゃった。俺、一回も会話した事ないんだよね、彼女と」
桜井
「俺ともだろ」
悠里
「あ……」(口元に手を当て、目を逸らす)
箕輪
「せっかく此処で自己アピできるチャンスだったのになぁ。まぁ、いいや」
桜井
「いいんか」
箕輪
(桜井のツッコミをスルーして)
「さて、今日はね。非公開……っても、本編で非公開って意味ね。キャスト座談会と題しまして、俺ら【カミシラ】の主要キャラ達が、作品の裏話とかね。していきたいと思うんですがぁ〜……その前に、今ここに来ているメンバーの自己紹介しておきますかぁ! って台本には書いてあったんですがぁ、各々勝手に自己紹介しちゃってたんで、まだ自己紹介してない人! じゃ、主人公役の二人から、どぞ!」
(弥生と悠里で譲り合い)
弥生
「えーっと、では、私から。皆さん、この度は【神様ですら、きっと知らない】を読んで頂き、ありがとうございました。主人公をしておりました、藤崎弥生です」
箕輪
「弥生ちゃん、【カミシラ】っていってよぉ」
弥生
「え、ヤですよ」
箕輪
「なんで! 流行らせようよ!」
弥生
「え、だって『髪、白髪』みたいで嫌じゃないですか?」
(何故か、伊織と今江が力強くうんうんと頷く)
箕輪
「えぇ〜? そんな事ないっしょ。まぁ、いいや。はい、じゃあ、次。雨宮」
悠里
「俺、最初に自己紹介みたいなこと言ったからいいよ」
知子
「はい! 次、私!! さっきの続き言いたい!」
箕輪
「知子ちゃん、時間ないの。また今度ね。はい、次行きますよぉ。じゃあ、先生達からどうぞ」
(先生達の譲り合いが始まり、決まらないので年齢で決められた)
阿久津先生
「えっと、私が一番年上との事で……水泳部顧問の阿久津俊光です」
弥生&知子
「「フルネーム、初めて知った……」」
箕輪
「弥生ちゃん、知子ちゃん! しぃーっ!」
阿久津先生
「えぇ、本編では、私の活動の場も全カットされておりましてぇ。胃潰瘍という情報以外、全く印象に残らなかったと思いますが、生徒達を常に大切に思い、いつでも――」
箕輪
「先生、ごめん! それ、長くなる?」
阿久津先生
「……次の方、どうぞ」
箕輪
「ごめん! ほんっと、ごめんなさい」
(何度もペコペコ頭を下げて謝る箕輪に、阿久津は優しく大丈夫と口だけ動かす)
里佳
「年齢で決められたら、次は私になるから嫌なんでが(笑)……。こんにちは、英語教師で伊織君の恋人の岩村里佳です。私の場合、割とネガティブなシーンしか無かった様に思うのですが……【カミシラ】の現場では、本当にみんな仲良くて、楽しかったです。ありがとうございました」
今江
「はい。では、次俺で。伊織より誕生日が先なんで(笑)。伊織の親友であり、里佳さんに片想いをする役、今江良樹です。殺人犯という役は本当に辛かったですし、実際、日々の生活で精神的ダメージも大きかったんですけど、自分じゃない自分を演じられて、楽しく出来ました。ありがとうございました!」
伊織
「では、僕。皆さん、この度は【神様ですら、きっと知らない】を最後までお読みいただき、ありがとうございました。悠里の兄で幽霊役の雨宮伊織です。僕、幽霊を演じるのって、初めてだから変な感じでしたけど、皆さん、僕が幽霊だって、最初から気が付いてましたかね? 作者曰く、割と最初からバレてても良いと思っていたみたいで(笑)、僕が幽霊である事は、実は作中隠されていなかったんです。なんで、多分、その辺を注目して読み直してみると、端々にオバケ要素があったと思ってます(笑)。楽しんで頂けたなら、幸いです。ありがとうございます」
箕輪
「先生方、ありがとうございました。続きまして、じゃあ、ラスボス。いきますか」
美佳
「ちょっと、箕輪君! ラスボスって言わないでよ!」
箕輪
「超ラスボス悪女だったじゃん」
桜井
「その辺、藤崎は最初から勘付いてたよな?」
弥生
「え? そうでしたか?」
桜井
「第2話のラストと第6話で、岩村先輩を『鬼畜』呼ばわりしてただろ」
美佳以外の全員
「ああ〜」
美佳
「やめて! そんな事ない! えっと【カミシラ】座談会を読んでくださっている皆さま、水泳部部長兼、今江先生の恋人役の岩村美佳です。人を好きになるって、あんなにも脳内にバクを発生させるんだなぁと思って……。割と、すごい事をやってたし、言っていたなぁと。我ながら、ちょっと怖いですけど。読者の皆さま、私のことは嫌いでも【カミシラ】の事は、好きでいてくださいっ!」
(勢いよく90度のお辞儀をする)
箕輪
「……なんか、一昔前のどっかのアイドルみた――グヘッ!!」
ガタンッ(鳩尾を抑え、机に倒れ込む)
美佳
「箕輪君が突然、腹痛になってしまったので、ここからは私が進行役をさせていただきます♡ えっと(台本を捲る)……あ。えー、本日は高屋姉妹のお二人とルミさんも来てくれる予定でしたが、高屋姉妹は夏休みのため家の手伝いが忙しく、来れないとのこと。そしてルミさんは、彼氏とデートの方が大事、との事で欠席ですぅ。残念ですけども、また何かの機会があれば、その時は是非! それと、井川くんは塾があるとの事で、後で来れたら来たいという事ですー。それでは早速! 『【カミシラ】みんなで語ろう、あの時、実は……!』 えぇ、このコーナーでは本編では語られる事のなかったカットされた場面や、あの時『本当はこう思ってた〜』など、みんなで話していきましょうというコーナーです! では、まず……」
箕輪
「はいはい!! 水泳部の全ストーリーカットの話がしたい!」
阿久津先生
「それは俺もしたい」
桜井
「俺の活躍ぶり話たい」
悠里
「俺は美術部所属だって事すらも、全カットだった……」
箕輪
「あ……」
(口元に手を当て、哀れみの視線を向ける)
弥生
「あ、ほら、でも、何となく察してくれる人も居るんじゃない? ほら、オックスフォードの風景画が美術室から無くなったって、言ってたし!」
悠里
「部活動、全くしてないから、きっと帰宅部だと思われてるよ……」
弥生
「あ……えっと……うん。私のこと、送ってくれてたし……そういう印象は、ある……かも?」
全員
「……………」
箕輪
「と、とりあえず、他には!? 他に言いたいこととか、聞きたいことがある人!」
知子
「はいはいはぁーい!!」
箕輪
「はい、知子ちゃん」
知子
「私、雨宮くんに質問! 弥生が雨宮くんの家に泊まった時、夕飯作ったのは雨宮くんでしょ? どんな料理が得意? てか、何故料理できるのっ!!」
悠里
「あー……。俺、中学の時、ちょっと不登校でさ。家に籠ってたから……。親が、学校行かないなら、家の手伝いしろって。料理とか掃除とか。特に、料理はなんかハマって……。藤崎が来た時は、チキンライスのオムライス作った。得意な料理は……思いつかない。ただ最近は、パエリアにハマって、よく作ってる」
桜井
「パエリアってなに?」
箕輪
「米料理だろ、確か」
美佳
「スペイン料理よ。すごいわね、悠里くん。そもそもパエリアが家で作れるって思いもしなかったわ……」
箕輪
「そんな難しいの?」
悠里
「いや、簡単だよ。フライパンに米とブイヨンと魚介類入れて――」
(突如、料理講座が始まる)
今江
「はいはいはいはい! 料理講座はまた今度の機会にぃー! 俺からも悠里に質問! なんで不登校だったんだ?」
悠里
「あー……。なんか、周りが幼稚っていうか……。悪口、しょっちゅう言われたんだよな。女子とか、人の顔見て目が合うと奇声あげるわ、人の事チラチラ見ながらコソコソ話してさ。そういうの、なんか嫌じゃん。言いた事があるなら言えよって。でも、みんな遠巻きで俺を見てるし、面倒くさくなって。それで行くの辞めた」
今江
「……それは、実は悪口とかでは無いのでは……?」
美佳
「え。やだ、この子、もしかして天然?」
箕輪
「無自覚モテました宣言、なんかムカつく……」
桜井
「いや、高志。雨宮はモテてたとは微塵も思ってないから、ムカつくのは可哀想だぞ?」
伊織
「僕のかわいい悠里が、悪口言われるとか!! 許せない!! そいつらまとめて全員呼び出すか……」
里佳
「伊織くん、落ち着いて、落ち着いて!」
伊織
「みんな知らないだけだ! 中学の頃の悠里は天使がそのまま地上に降り立ったように、愛らしく――」
(今江が伊織の口を押させる)
今江
「(小声で)こら、伊織! ブラコン全開で話し出すな! お前、せっかくミステリアスに描いてもらったんだぞ!?」
伊織
「ゔゔ〜! ゔっゔゔ!!」
今江
「イメージが違う! ちょっと落ち着け! そして黙れ!」
知子
「雨宮くんさ、それって多分、雨宮くんがカッコよくて、みんなキャーキャー言ってたと思うよ? 別にイジメじゃないと思うけど……」
弥生
「確かに、二学期から学校復帰した時、女子に囲まれてたし……。でも、あの時の雨宮って、すっごく印象悪かったよね!」
悠里
「……人間、最初は新しいモノに興味あるだけで、その後の手のひら返しが激しいから……ニンゲン、コワイ……」
(全員から視線を逸らし、ブルリと震える)
箕輪
「究極の人間嫌いかよ……」
今江
「絶対、悠里の勘違いだと思うけどな」
伊織
「ゔゔっ!! ゔーーーーーー!!」
(まだ口を塞がれている)
知子
「でも、弥生には結構、懐いてたよね?」
(弥生と伊織と悠里以外の全員、何故か大笑い)
悠里
「なっ! 懐いてたわけじゃ……! ただ、藤崎は、他の人間と違うって感じがして……その。なんだ。もう、いいだろ! この話題!」
美佳
「わぁー、悠里くんが慌ててる……しかも顔真っ赤! 可愛いぃー! レアぁー!」
伊織
「ふぅ……(塞がれた手を何とか剥がした)悠里は、ずっと可愛いんだよ。何を今更……ただ、お兄ちゃんはね、悠里がいつの間にか自分のことを『僕』から『俺』というようになった事や、僕の事を『兄貴』と呼ぶようになった事が、とても悲しかった。イオにいちゃんって追いかけて来る悠里は、それはそれは天使で愛らしく――グゥー!!!」
(今度は悠里に口を塞がれる。でも、ちょっと嬉しそう)
悠里
「もういいから! 黙っててよ、イオにいちゃん!」
伊織
「うー、うー♪」
美佳
「あっと、ここで……ふんふん。なんと! 藤崎家の皆さんがビデオ通話でご参加くださいます!」
弥生
「え!? 聞いてない!」
皐月
「みなさん、こんばんはー! あ、そっちは今、こんにちは、かな?」
美佳
「(小声で)やだ、めちゃ可愛い男子来た!」
弥生
「さっちゃん! なんで!?」
皐月
「僕ら家族のシーン、あ、あと弥生が一緒に暮らしてた祖父母のシーンも、全部カットされていたので、本編では名前しか出て来なかったんだけど、弥生の兄の皐月です! 雨宮くん、久しぶりぃー」
悠里
「こんにちは、お久しぶりです……あ、この間、個展の招待ありがとうございました」
皐月
「いやいや、僕も雨宮くんに直接会いたかったし、来てくれて嬉しかったよ! ありがとうね!」
美佳
「え? 個展? なに、その話」
皐月
「ああ、僕、一応、学生ではあるんですが、画家として活動してるんです。某映画の背景は、僕が手掛けてて……あ、この話、長くなるけど、大丈夫?」
箕輪
「あー、出来れば【カミシラ】に繋がる話でお願いしたいんで……」
皐月
「だよね。ごめん、ごめん。【カミシラ】の裏話としては、僕と弥生は、雨宮兄弟と一緒で異母兄妹なんです。親が連れ子同士の再婚で、弥生と僕は実は同い年なんですよ。そういう共通点もあって、雨宮くんと弥生は仲良くなれたっていうのもあるんだよね?」
弥生
「うん。その辺の話もカットされてるから、本編に出て来ないけど。雨宮と色んな話をする様になって、お互い異母兄弟なんだと知って。それから、より仲良くなった気がする」
皐月
「あと【カミシラ】繋がりでいうと……ないな!」
(笑顔全開)
美佳
「やだ、めちゃ可愛いっ!!」
今江
「美佳は、本当はこういうタイプが好みだったのかぁ、そうか、そうか」
美佳
「え、いや! あの、ちゃんと良樹さんのことも好きですよ? 皐月くんはこう、アイドルみたいな? 推しみたいな? 恋愛と推しは、別だから!」
今江
「へいへい」
美佳
「でも、それを言ったら、良樹さんだってお姉ちゃんの事が好きだったじゃない!」
今江
「あれは……役だから。おわかり?」
(美佳の肩を抱き寄せイケボで囁く)
美佳
「……!!」
箕輪
「はい、そこのバカップル、イチャつくなら、他所でやってくれ」
知子
「あ、なんか着信きてますよ」
桜井
「ああ、井川だ」
皐月
「あ、じゃあ僕、仕事に戻るね、またねー!」
弥生
「さっちゃん、ありがとう! また電話する!」
皐月
「はいはーい」
(皐月が消えて、井川登場)
井川
「こんにちはー」
悠里
「井川くん、こんにちは」
井川
「よかった、まだ終わってなくて」
悠里
「いま、まだ塾か?」
井川
「うん、そうなんだ。2年の最初のテストでは、何としても雨宮くんより良い点を取りたいからね! 頑張ってるよ」
(爽やかな笑顔全開)
悠里
「ふふ。そうか。楽しみにしてる。でも、俺も負けないよ?」
井川
「そう来なくっちゃ! 手抜きされて勝つのは、僕も嫌だからね」
知子
「井川くんと雨宮くん、いつの間かそんな仲良くなってたの?」
弥生
「卒業式実行委員で仲良くなってたよね」
井川
「うん。あれから、LIME交換して、結構頻繁にやり取りしてるよ。テスト対策とか、勉強方法とか。雨宮くんの解説は、すごく分かりやすいし、助かってるんだ」
弥生
「わかる! 雨宮、教え方すごく上手いよね!」
井川
「そうなんだよ。先生より上手いから、つい頼っちゃう」
全員
「へぇ〜」
悠里
「そんなこと、ないだろ……(赤面再び)井川だって、国語の解説、すごく上手いじゃん」
井川
「ん〜、でもやっぱり雨宮くんの解釈とかの方が、僕は好きだなぁ。ねぇ、またオススメの本があったら教えてよ。また考察談義しよ!」
悠里
「ああ、いいね。またしよう」
伊織
「悠里が楽しそ。可愛い……。井川くんも良い子だ。悠里をよく理解してる……」
(感動して涙が出てる)
井川
「あ、休憩が終わるや。ごめん、またね! 皆さん、ご清聴ありがとうございましたー!」
悠里
「忙しいのに、ありがとう。またな」
伊織
「悠里が優しい笑顔で手を振ってる……もう、天使でしょ? 可愛すぎない? 人間嫌いって言いながら、この可愛いさ、すごくない? フグっ!!」
(三度、口を塞がれる)
今江
「もういいから、お前は黙っておけって」
箕輪
「ええ、大変名残惜しいですが、そろそろ時間となりましてぇ。最後に、これだけは聞いておきたいってこと、ありますか?」
里佳
「はい! 私、悠里くんに聞きたいです」
箕輪
「はい、どうぞ岩村先生」
里佳
「悠里くん、弥生ちゃんに最後、耳ともで何て言ったのですか?」
悠里
「えっ!」
弥生
「あ、それ聞こうと思ってた!」
悠里
「え!? なんで藤崎が聞くんだよ!」
弥生
「だって、あの時、突然、抱き締められてビックリして、全然聞こえてなかったから……」
悠里
「……ッ! 言わない!」
里佳
「えぇ? なんでよぉ?」
(弥生以外、全員でニヤニヤ笑う)
悠里
「ちょ……全員、そのニヤつき顔、やめろ!」
弥生
「私は聞いても良いでしょ!?」
悠里
「……あとで!」
弥生
「あとでって、いつ?」
悠里
「これが、終わったら! みんなのいない所で教えてやるよっ」
箕輪
「みんなのいない所ですって、聞きましたぁ?」
桜井
「雨宮も、やっぱ男だなぁ」
美佳
「なにそれ、なんかやらしぃ〜」
知子
「弥生、後で教えてよ!」
弥生
「ちょっと! みんな、なに言ってるの!」
悠里
「ああ、もう! 全員うるさい! えっと。【神様ですら、きっと知らない】最後の最後に、こんな終わり方で申し訳ないです。タイトル回収も含め、本編をお楽しみ頂けたでしょうか? まさか、こんな終わり方とは……と思われた方も、いらしたかも知れませんね。なんせ、俺のセリフがそのままタイトルだったんで(笑)。色んな出来事がありましたが、こうして最終話を迎えられたのは、読んでくださった皆さんが居てこそです。本当に、ありがとうございました。この非公開座談会は、後々、コンテストが終わったら、あとがきとして全体公開するかも知れませんけど。今は、本編を読んで、そして、この近況ノートを読んでくださった皆さんに、少しでも楽しんでもらえたらと思っていて。また、いつかどこかで、お会い出来る事を楽しみにしています」
箕輪
「こりゃ、書籍化しないとな!」
弥生
「どうにか、賞を受賞出来ますように! 私達、本当に頑張ったので!」
全員
「目指せ、書籍化!!」
悠里
「そういうわけで、今後も応援よろしくお願いします!」
弥生
「またいつか、お会いできますように! その時まで。せぇの!」
全員
「【神様ですら、きっと知らない】これにて、閉幕!」
