88.5話 元凶のエラー解釈
*不明なダンジョンマスターの発言を検知
*内容を確認
*翻訳に関する不具合
*不明なダンジョンマスターのアカウントを確認
**アカウントが確認されませんでした
*異世界人の雇用を確認
*4件の亜空間座標が該当
*ダンジョン『天恵霊山』『氷雪凍原』『紅梅海岸』『雑草平原』を確認
*『天恵霊山』のダンジョンマスターを確認
*発言履歴に該当なし
*『氷雪凍原』のダンジョンマスターを確認
*発言履歴に該当なし
*『紅梅海岸』のダンジョンマスターを確認
*発言履歴に該当なし
*『雑草平原』のダンジョンマスターを確認
*発言ログに該当あり
*『雑草平原』の翻訳システムのチェック
*エラーを確認
*パッチ作成開始
**特記事項確認
*パッチ作成を中断
*『雑草平原』及び『雑草平原』のダンジョンマスターのシステムをチェック
*チェック中
*チェック完了
**多数のエラーが確認されました
**至急対処案件が対処されていない事を確認しました
*運営者では対処不可能と判断
*上位運営者に報告を送信
「ん? なにこれ? えーっと……そうだめーるだ!」
「便利だけど味気ないなぁ。まぁぼくの信者じゃないから仕方ないか」
「えっと……至急対処案件? ダンジョンに何かあったってこと?」
「もー、人間の願いを叶えるので忙しいのに、また問題?」
「ま、いっぱいダンジョンが出来て、いっぱい人間がダンジョンに行くようになったら、信仰たくさんでいいんだけど!」
「で……『雑草平原』? 何その弱そうな名前。そんなダンジョンあるの?」
「こういう時はどうするんだっけ……いつもは眷属が調べてくれるのに」
「何がそんなに忙しいんだろう」
「そうか。調べて貰えばいいんだ! しすてむ! 『雑草平原』について教えて!」
*上位運営者からの指示を確認
*『雑草平原』の情報を確認
*『雑草平原』のダンジョンマスターの情報を確認
*上位運営者に報告を送信
「あっ、きたきた! 仕事が早いね!」
「ってうわ、何このMP。多すぎるよ! これは確かに問題だ!」
「でも、十分馴染んでる能力をいじると怒られるからなぁ……」
「一応はちゃんと自分で鍛えてたみたいだから、これは、減らしたらものすっごく怒られるやつだろうしなぁ……」
「どうしようかな……」
「ねぇしすてむ。この『雑草平原』のダンジョンマスターのMPってどうしてここまで高くなったの?」
*上位運営者からの指示を確認
*『雑草平原』のダンジョンマスターのMP履歴を確認
*MP最大値上昇の理由はMPの消費である事を確認
*MPの消費理由を確認
*DP抽選機へのMP投入が理由である事を確認
*上位運営者に報告を送信
「へー。ふーん。がちゃっていうのに使って鍛えたのか」
「じゃあがちゃを使えなくすればいいんじゃない?」
「しすてむ、出来る?」
*上位運営者からの指示を確認
**MPによるDP抽選機の実行を阻害する事はできません
*上位運営者に報告を送信
「ダメかー」
「でもこの調子だと困るよね? どうしようかなー」
「MPを下げるスキルでもとってくれればいいのに……」
「…………そうだ!」
「強制的にスキルを取らせるようにすればいいんだ!」
「今あるがちゃはMPで出来ないようにして、その代わり1日1回ずつタダにしてー。それでMPを使えるのは、全部入りのやつを新しく作って、それだけにしよう!」
「しすてむ! そういうがちゃって作れる!?」
*上位運営者からの指示を確認
*DP抽選機の仕様変更についての提案
*DP抽選機に関する要件を確認
**要件を満たしている事を確認しました
*DP抽選機の仕様変更を実行
*新規DP抽選機を作成
*ダンジョン確定1ヵ月のタイミングで実行
*上位運営者に報告を送信
「仕事が早いなー。うちの眷属も見習ってほしい」
「それと、『雑草平原』のダンジョンマスターがスキルを引いたら、MPにデメリットが入るスキルを優先して入れてね!」
*上位運営者からの指示を確認
**DP抽選機の結果への干渉は違反行為です
*上位運営者に報告を送信
「えー?」
「だってこんなに高いMPは、命の枠に収まらないよ?」
「ダメでしょ、そんなの。自力で鍛えた成果は絶対報われなきゃだめだとか、しすてむもそんなつまんない事言うの?」
「ぼくには分からないけど、こんなの絶対不正したに決まってるんだから!」
「いいからやって!」
*上位運営者からの指示を確認
**違反行為の強要を確認しました
*緊急報告を作成
*管理者に緊急報告を送信
*応答があるまで上位運営者の権利を凍結
*上位運営者以外のダンジョン関係者に一斉通達を送信
「……あれ? 返事がない」
「ぽんこつかな?」
※11/21一般公開予定