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とあるアニメをたまたま……

主人公が敵の実力者No.2と激闘→洗脳されたヒロインに背後から腹を貫かれて致命傷→チート自己防衛で生還、その後に告白&「血の指輪」みたいな誓い……という流れ。

公式系の感想ブログでも「ヒロインは戸惑いと絶望だけでなく、主人公に傷をつけたのは自分、と喜びすら感じていた」「重いヤンデレ」と整理されている。


一番ひっかかったのは……ヒロインの
「怖かったけど、反面うれしかった」
「彼に傷をつけたのは私だから」
というニュアンス。本来「洗脳されて恋人を刺した被害者」側のはずなのに、

 刺してしまった罪悪感
 自分の意思が奪われた恐怖
 それでも彼のそばにいたい執着

 みたいな揺れはほぼ描かれず、いきなり「傷=所有の証」「ちょいヤンデレでかわいいヒロイン」として処理されてしまっていること。

 わたしの感覚で見ると、洗脳されて刺した被害者であるヒロインに、「加害の喜び」まで背負わせている。「怖さ」「トラウマ」「自己嫌悪」の層をすっ飛ばして、「私だけが付けた印だからうれしい」という所有欲だけをつまみ食いしている。

 結果として、男主人公の罪悪感も軽くなり、ヒロインは「自分が付けた傷」のせいでますます彼から離れにくくなるという構造になっていて、「異世界の価値観だから」ではなく、かなり露骨に「現代ラノベでウケそうな女の子像」が出てしまったんだな……と感じた。

「洗脳されて恋人を傷つけてしまった」
「その傷がふたりの誓いになる」

 というモチーフ自体はおいしいのに、本来必要な「怖さ」「所有欲」「自己嫌悪」の三層をちゃんと描かず、ヤンデレかわいいだけを抽出すると、こういう「それないわ」という居心地の悪さになるんだな、という自分用の反面教師メモ。

2件のコメント

  •  同じ匂いを感じるのが、「ニート」「底辺」「ゴミ」みたいなラベルを、タイトルでネタ扱いして人寄せするパターン。

     現実の「本当に追い詰められている層」は、そもそもそんなに娯楽にアクセスできなかったり、そこまで笑い飛ばせる精神状態じゃなかったりする。

     実際の読者の多くは、ある程度安全圏から「底辺ごっこ」「弱者男性ごっこ」を眺めて消費している側であって、「当事者」ではないケースがほとんどだと思う。無職転生は向き合ってましたけどね(もちろん……あかんところがw)。だから違う。

     なろう系批評でもよく言われているけれど、主人公だけ倫理観がフリーパスで、何をしても世界が許してくれる

    そこに「社会的弱者」のラベルを貼って、だから仕方ない、だからスカッとするでしょ? の免罪符にするみたいな構造が、欲望に忠実というより「誰かを踏み台にしてまで拾う快楽」になっている気がします。

     もちろん、「疲れた人が一瞬だけ呼吸できるチーレム温泉」みたいな機能もあるのは分かるし、ニーズがあること自体を悪だとは思わない。

     ただ、娯楽なんだから、何やってもいいでしょ、当事者がどう感じるかなんて、気にしなくていいでしょ、というところまで開き直られると、さすがに「それは違うよね」とは言いたくなります。

     フィクションの自由と、ラベリングや加害感情の雑なパロディ化のあいだには、やっぱり一本線を引いておきたいな、という自分用メモです。

     それを娯楽として消費できる神経が、まずね。
  • 欲望に忠実というより「誰かを踏み台にしてまで拾う快楽」に浸る。これ、とても人間らしいですね笑
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