主人公が敵の実力者No.2と激闘→洗脳されたヒロインに背後から腹を貫かれて致命傷→チート自己防衛で生還、その後に告白&「血の指輪」みたいな誓い……という流れ。
公式系の感想ブログでも「ヒロインは戸惑いと絶望だけでなく、主人公に傷をつけたのは自分、と喜びすら感じていた」「重いヤンデレ」と整理されている。
一番ひっかかったのは……ヒロインの
「怖かったけど、反面うれしかった」
「彼に傷をつけたのは私だから」
というニュアンス。本来「洗脳されて恋人を刺した被害者」側のはずなのに、
刺してしまった罪悪感
自分の意思が奪われた恐怖
それでも彼のそばにいたい執着
みたいな揺れはほぼ描かれず、いきなり「傷=所有の証」「ちょいヤンデレでかわいいヒロイン」として処理されてしまっていること。
わたしの感覚で見ると、洗脳されて刺した被害者であるヒロインに、「加害の喜び」まで背負わせている。「怖さ」「トラウマ」「自己嫌悪」の層をすっ飛ばして、「私だけが付けた印だからうれしい」という所有欲だけをつまみ食いしている。
結果として、男主人公の罪悪感も軽くなり、ヒロインは「自分が付けた傷」のせいでますます彼から離れにくくなるという構造になっていて、「異世界の価値観だから」ではなく、かなり露骨に「現代ラノベでウケそうな女の子像」が出てしまったんだな……と感じた。
「洗脳されて恋人を傷つけてしまった」
「その傷がふたりの誓いになる」
というモチーフ自体はおいしいのに、本来必要な「怖さ」「所有欲」「自己嫌悪」の三層をちゃんと描かず、ヤンデレかわいいだけを抽出すると、こういう「それないわ」という居心地の悪さになるんだな、という自分用の反面教師メモ。