「ふんんっ!」
翔太とぷりんがぎこちなく握手をしたところで、真宙は気合を入れた起き上がった。パンパンと体についた土を軽く払うと、ずんずんと戸惑う彼に近付いていく。
「えっ、おま……っ。何?」
「黙ってて!」
「は?」
「この子の事は黙ってて!」
真宙が最初に行ったのは口止め。翔太は割と口が軽い方なので、後で変な噂を流されないように先手を打ったのだ。何も事情も分からないところに、更に無茶な言葉を投げつけられて彼は更に混乱する。
「てか、お前とぷりんの関係って何?」
「私、真宙の友達だよ。だから友達の友達は友達」
「おお。よろしくな、ぷりん」
翔太はぷりんのその一言で全てを納得したようだ。その表情には一点の疑念も感じられない。まるっと素直にこの異常事態を飲み込ませてしまった魔導少女の実力を実感した真宙は、語気を強めて改めて念を押す。
「だから、ぷりんの事は秘密にしてね」
「いや、意味が分かんねーんだけど?」
「何で私の言葉は聞いてくれないのよ!」
真宙は融通の効かない翔太に軽くイラついた。後少しで喧嘩になりそうな雰囲気を察したぷりんは、翔太の手を握ったまま彼の顔をじっと見つめる。
「ねぇ翔太、私とここで会った事は秘密だよ」
「あ、うん。分かった」
「何で素直に話を聞いちゃうのー!」
ぷりんの気遣いは逆効果となり、真宙のプライドはずたずたに引き裂かれた。それでもこうして彼女の要望は伝わったので、結果的には話はいい方向に進んだと言えるだろう。