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泡沫/鳴沢 梓さま 読ませていただきました

全体を通して、波が寄せては返す、寄せては返すが貫かれていて、頭の中で視覚化できました。
切なくて、すれ違っていて切ない。
ずっと掴むことのできない水を、指の間をくぐらせたり、握ったり。でも捕まえることができない事くらいわかっている。
いろんな光を当てた水の色。実際は水には色はないのに、光も分けなければ色がないのに。
物理的には説明がつくことなのに、目の前で起きている矛盾が一瞬だけ触れる。そして矛盾により崩壊する。
行間も詰まることがなく、水が行き交っているようで、とても美しくきらめく話を読ませていただきありがとうごさいました。

気になった所というか、私の個人的な好みの話ですが、愛が憎悪に変わる時、グッと溜めと一気に染まっていく時のテンポをわざと乱したり、もっと狂わせてからの、カタルシスがあるのもいいかも?
感情が負に向かう時のエネルギーを引っ張って、つんと針を刺す感じです。
本当に好みのレベルの話なので、気にしないでください。

何度でもお礼を言わせていただきます。
水面のように姿を変える、大変貴重な美しい作品に触れるさせていただきありがとうございました。

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