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『読まれない小説を投稿するのは無駄』と言った御方に、随筆を書いてもらった

パンも心も焦げてしまいましたわ~スーパーのパン屋さんがひとりごと



第0話:お試し栗パンとメープルロール



 秋になっても暑い日々が続いておりましたが、ようやく一段落いたしました。
 朝夕はだいぶ涼しくなりました。



 秋といえば、食欲の秋、パンの秋でございます。 夏は例年通り全くパンが売れていませんでしたが、ようやく売れ行きが戻ってきました。



 最近の売れ筋はメープルロールでございます。ロール状になった生地にメープルバターが巻き込まれたロールパンの一種でございます。



 それと期間限定の栗パンが人気でございます。こちらは栗の形をした菓子パンで、カスタードクリームが入っております。



 期間限定商品は出来れば試食をしたいのですが。コロナ禍で世界がおかしくなってから、色々うるさくなってしまい試食が出来なくなりました。



 全く、ふざけたウイルスが世の中に出回ってしまったものです。
 そして、つまらない世に中指を立ててしまいたくなります。



 ファッキン



 ……あら、いけません。
 ついつい焦がしてしまいました。



 申し遅れましたが、私は笠岡怜(かさおかれい)と申します。
 もちろん、仮名でございます。



 私はとある県の田舎にあるスーパーでパンを作って売っております。
 最近はインストアベーカリーと言うのだそうで。



 聞く所では、小学生のなりたい職業ランキングでパン屋は2位だそうで。時々、子どもの頃の夢を職になさったのですねと言われることがございます。



 焼くだけだから簡単な職業だろうと言われることもございます。
 そのようなことはございません。どちらもシットでございます。



 あら、また焦がしてしまいました。



 パン屋さんは筋力・体力そして地頭の良さが問われる、言うならば総合格闘技のような職でございます。そして他の職業と同じように、不条理と戦わなければなりません。



 さて、以前ちょっとした知り合いの風波野さんが小説を書いていると知りまして、そんな無駄なことはおよしになったらと言わせていただきました。



 私、わりと歯に衣着せぬタイプでございます。
 それと、感じたことをわりと口に出してしまいます。



 よく『口から強火を吐いて周りを焦がしている』と言われます。
 まあ、その通りとは思います。



 そのせいで時々周りと衝突があるのですが、あまり気にしておりません。
 溜め込むほうが身体に毒が溜まる、そんな感じがしておりますので。



 先の風波野さんは一時期落ち込まれていましたが、「なんとかには意味がある」とか言う文章をお書きになりました。



 そして、たくさん読者様から感想をいただいて、私にお見せになりました。 『これだけの方々に支持されました。書かれたものにはちゃんと意味があります』そうおっしゃられておりました。



 私は言ったことを忘れておりました。ですが、詫びとしてなかば強引にエッセイを書くことを承知させられてしまいました。正直全く興味はなかったのですが……。



 ここの感触がよかったら『小説』で、パン屋さんの本当の所や、不条理な所。その辺りを語って行きたいと思っております。



 では、機会があればまたお付き合いくださいませ。
 ……風波野さん、こんな感じでよろしいのでしょうか?


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