📖『薔薇と鏡の王国《rewrite》』第62話「仮面の奥の微熱」より
https://kakuyomu.jp/works/16818792439275215361/episodes/822139840832861283 ゼフィルは、まだぼんやりとしたまま、微笑んだ。
「……僕を、助けてくださったのですね?」
その微笑は、どこまでも穏やかで、夢の中のように儚かった。
かつて失った彼が、再び目の前に現れたようで——
ハルカは、唇をきゅっと結び、もう一度、小さくうなずいた。
ゼフィルの微笑みに、部屋の空気がふっと和らいだ。
療護士見習いの青年が、ぽつりと呟く。
「……この人が、スパイなわけないだろ」
「まるで……ほんとに、天使みたいだな」
若手兵士たちも、口々に同じような言葉をこぼす。
それは理屈ではなく、目の前の“存在”が放つ印象によるものだった。
そのあまりの儚げな美しさと静けさに、疑念の声は自然と萎んでいった。
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62話のゼフィルの目覚めのシーンのイメージイラストです。
触れたら消えてしまいそうな、
そんな儚さが伝わっていたら嬉しいです。
(※本イラストはAI生成を一部工程で取り入れ、加筆・修正して仕上げています。)