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地図12

〜密告について〜


翼「鑑真は、1回目と3回目、4回目、密告により渡日を失敗しておる。」
羽 航「弟子が密告したんだろ? ひどいな。」
翼「鑑真は、高名な僧で、4万人以上の僧侶に具足戒をさずけてきた戒律の師であったから、唐から出て欲しくない、と、彼を惜しむ者も多かったのじゃ。」
羽 航「そうか………。」


〜嵐について〜


翼「6回目で日本に着いたのじゃが、スンナリとはいかなかった。
 遣唐使第二船(⑥)は、11月16日、蘇州を出航。
 11月21日、阿児奈波島(沖縄)につき、途中暴風にみまわれながらも、奄美大島、益救島(やくしま)を経由し、12月20日、薩摩国阿多郡《あたのこほり》秋妻屋《あきめや》浦に漂着したのじゃ。」
羽 航「阿児奈波島(沖縄)から薩摩国にたどり着くまで、かなり日数がたってるな。」
翼「そうじゃ。暴風にあい、漂流したのじゃろうな。
 鑑真は、2回目、5回目、6回目、計3回、海上で嵐にあっておる。」
羽 航「そんなに………。日本に生きて辿り着けたのは奇跡だな。」
翼「同感じゃ。」


〜総括〜


翼「鑑真の日本行きには多くの弟子が付き従った。
 三師七証の人数が必要じゃったからな。
 あしかけ12年の渡日の試みのなかで、鑑真のもとを去って行った同行者は200人以上、命を落とした同行者は36人と言われているのじゃ。」
加須 千花「東大寺には、鑑真大和上の築いた戒壇が今も残っています。
 鑑真大和上は来日し、5年、東大寺に住んだあと、唐招提寺を開き、そこに住んだそうです。」




〜おまけ〜

羽 航「………なあ、加須 千花、オレたち、阿児奈波島にたどり着いたり、海南島にたどり着いたりしないよな?
 このヘッタクソな海図を見てたら不安になってきた。」

 加須 千花、無言で脱兎のごとく逃げる。

羽 航「あっ、待て!」

 加須 千花と羽 航、追いかけっこをしながら舞台袖に消える。
 翼はため息をつきつつ、ヘッタクソな海図をくるくる巻いて、後片付けをするのであった。

翼「ワシ一人に片付けさせおって。郷党尚歯(年寄りを尊べよ)!」 

2件のコメント

  • おおお! 中国側も載っている地図だとさらに分かりやすい!
    とぼけたこと言いますが・・・東シナ海を渡って来てたんですね。
    この地図を見て改めて、意外と日本の対岸って中国である部分はそこまで多くなく、朝鮮半島とロシアなんだなと。
    頭の中の世界地図がいい加減だったことを思い知りました!
  • 綾森れん様

    ヘッタクソな手書き地図ですが、イメージをつかんでもらえれば幸いです。
    そう、鑑真大和上は、東シナ海を渡ってきたんですね。
    うーん、日本の対岸。あまり考えたことがありませんでした。そうですね。朝鮮半島とロシアかもしれません。
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