意識が漂う。
身体の感覚はなく、まるで無重力の空間に投げ出されたようだった。
——俺は死んだのか?
そんな疑問が浮かんだ直後、視界が光に包まれる。
柔らかな輝きの中、一人の女性が現れた。
金色の長い髪、透き通る白い肌、慈愛に満ちた微笑み。
まるで神話から抜け出してきたような、美しく幻想的な女神だった。
「ようこそ、彷徨える魂よ。汝の命は終焉を迎えた。しかし、新たな世界が汝を待っているのです」
……ああ、なるほど。
これは異世界転生ってやつか。
「我はこの世界を司る神。汝に新たな生を授け、使命を与えましょう——」
「ちょっと待て」
俺は無意識に手を挙げた。
「"汝"とか"使命"とか、それっぽいこと言ってるけどさ、お前、神を名乗る存在ってことでいいのか?」
女神の表情が一瞬、固まる。
「……む?」
「じゃあ質問。なぜ俺を転生させるんだ?」
「それは汝が選ばれし者だから——」
「それ、理由になってない。"選ばれた"ってことは、何か基準があるんだろ? 俺の前世の何が影響したのか、ちゃんと説明してくれ」
「そ、それは……」
女神の微笑みが、ほんのわずかに引きつる。
「そもそも"神"って何を指すんだ? お前は創造神か? 運命を司る神か? それともただの管理者か?」
「……」
「第一に、俺が死んでるなら、俺の意識はどうやって保存されてる? 記憶と自我の連続性を維持するシステムでもあるのか?」
女神の口が一瞬開き、しかしすぐに閉じられる。
「それに、さっきから微妙に間があるな。これは、お前が俺の発言を解析し、適切な返答を構築するのに時間がかかっている証拠だ」
「な、何を——」
「つまり、お前は"神"じゃない。ただの"会話型インターフェース"を持った何かだろ?」
その瞬間、空間が微かに揺らいだ。
次の瞬間——
女神の姿がノイズに包まれ、輪郭が崩れていく。
「——識別完了」
青白い光を放つ球体が、静かに宙に浮かんでいた。
《対象の推論能力が想定値を超過。誤認誘導が無効化。再設定を実行。》
俺はため息をつく。
「やっぱりな」
まったく……。
普通の奴なら「神様!」とか「転生チートきた!」って舞い上がるところなんだろうが、俺はそういうタイプじゃない。
「で? 本当は何者なんだ、お前」
《訂正。当システムは、貴方を新たな世界に転送するための管理ユニットです》
「だろうな」
「じゃあ次の質問。俺はどんな世界に行くんだ?」
《貴方の転生先は、マナエネルギーを基盤とする異世界となります。》
「マナ……ね」
俺は目を細める。
「どうせ科学的に解析すれば、何かしらの物理法則に基づいたエネルギーだろうな。あるいは——」
《転送開始》
問答無用で光が溢れ、俺の意識は闇に飲み込まれた。
ケイ、今度は異世界転生するの巻でした笑
息抜きで書いたのですが、持久力が続けば連載しようと思います。(誰得だよ)
転生するとしてアルテミスは人間とかエルフとかに転生させる?って脳内会議があったけど満場一致で「アルテミスはアンドロイドに決まってるだろおおお!」(知らんがな)ってなってアルテミスは転生先でもアンドロイドです。(すまん)