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新年お祝い特別番外編

(正月っぽいBGM)

(どこからかカコーンと鹿威しの音が響く)



 どこかの旅亭の宴会場らしき場所。

 そこで、和服を着た小さな女の子や銀色の中、やぼったい感じの子が食卓を囲んでいる。

「えー、皆様。あけましておめでとうございます」

『ピリルルルウゥ』

「昨年度は、作者のリアルは苦渋に満ちていたものの、執筆活動は順調で、いくつかヒット作、と呼べる作品を世に送り出す事が出来ました。小説書きとしてそこそこ長い作者ですが、本格的に活動を開始し、現実の壁の分厚さに直面したのはここ数年の事でございます。ヒット作、と呼べるほどの反応をいただいたのも初めての事で、これもひとえに、皆様読者の皆様方の応援あっての事でございます。重ね重ね、この場で重ね重ね感謝させていただきたいと思います」

 ふかぶーか、と少女が頭を下げる。それを見習って、隣の銀竜もぺこり、と頭を下げる。

 そんな彼女を、隣にすわった野暮ったい少女が、手の中の白いお手玉のようなものを弄びながら揶揄した。お手玉には大きな一つ目があり、今も目をぱちくりさせている。

「おーおー、お上品な事で。今や押しも押されぬ代表作の主人公様だけあって、余所行きの態度もばっちりってか?」

「これも大人の礼節ある態度ってやつだよ、坂巻君」

「はいはい。まあしかし、そのヒット作がどっちもTSで、そうじゃない最新作は大爆死してるってのは、まあ属性で売れたようなもんじゃないのかね」

 ケラケラ、と厭味ったらしく笑うトウマに、葛葉がぴき、と眉を吊り上げた。

「煩いよ、そっちだって男の子の純情弄んでるくせに」

「も、弄んでる訳じゃないやい!!」

 がー! と腕を振り上げて抗議するトウマ。それには取り合わず、葛葉は会場を見渡して首を傾げた。

「あれ? そういえば、ヌルスさんは?」

「あー、あいつなら、あっち」

 トウマの指さす方向にカメラがズームイン。そこでは……。

「あら」

 会場の隅っこで、仲睦まじく絡み合っている(文字通りの意味で)ピンク色の肉塊と、和服姿の金髪美女。

 大変にいかがわしい光景だが、二人はもちろんそんなつもりは全くなく、まるで互いしか見えないかのように楽しそうにイチャイチャしている。

『あはは……もう、アルテイシアったら……』

「えへへへ……ヌルスさぁん……えへへ」

 ピンク色のハートをぽわぽわ浮かべながら自分達の世界に浸りきっている二人がフレームアウトすると、ひきつったような葛葉とトウマの顔が戻ってくる。

「まあ……作品内でも現実でも、長い事離れ離れだったから……しゃーないね……」

「くっそう、このリア充どもが」

 恋や愛を知る前に母親になった葛葉がペッと唾を吐くようなしぐさをして顔をしかめる。それを見てトウマはゲラゲラと笑った。

「ひはははは……そういや、リア充といやあ、アイツラはどこいった? 館の連中」

「あいつらがここに来るわけないでしょ。今頃、館で正月祝いしながらイチャイチャしてるに決まってるじゃないか」

「あー、それもそうかー……」

 二人して、納得して肩を落とす。

 と、そこで部屋の外から、キュラキュラキュラ、と戦車のキャタピラのような音と、ズゴゴゴゴ、とジェットエンジンが着陸してくるような音が聞こえてきた。

「お、他の連中も到着か」

「一組は別サイト掲載だし、もう一組はまあ……いろんな事情でこのサイトには出勤の連中だけどな。しょうがない、会場をかえて祝うか」

 よっこいせ、と二人が立ち上がる。ずれた座布団を直して、二人は画面に向けて手を振った。

「そういう訳で、今年もよろしくなー」

「作者は今年もめげずに執筆活動頑張っていくつもりですので、これからもどうかお付き合い、よろしくお願いします。それでは……」



「「よいお年を!」」



 A HAPPY NEW YEAR !!

2件のコメント

  • 明けましておめでとうございます^_^大変楽しく読ませていただいております。
  • コメントありがとうございます! こちらこそいつもありがとうございます!
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