他の方のノートにもありましたが、多分小説投稿サイトで明確に『AI』を名指しでこのような対応をとったのは初じゃないでしょうかね。
公式発表:
https://www.alphapolis.co.jp/pages/topic_20251118 まあ投稿サイトも今は多数あるから見落としがあるかもですが。
ただ、問題はどうやってそれを判断するか。
先日のように、毎日30本以上の作品を更新し続けるのを一か月以上、というのは普通に考えてさすがに無理なので、それはAIだろうといえても、例えば私も実際に『竜殺し』『白雪姫』は開始時のストックは100~200話分はありました(今はほとんどないですけど)
私は最大でも1日1~3話程度の投稿にしてましたが(1話あたりも長いし)、もっと細分化して、1話2000文字くらいにすれば、やろうと思えば二つの話で1日5話投稿を、一か月くらいは続けられたと思います。
が、言うまでもなく全部私が手動で入力したものです。
つまり何が言いたいかというと、投稿ペースでのAI判定はよほど異様な状態が続かない限りは断定はできません。
そして、文章内容でのAI判定はもっと論外です。
文章のAI判定ツールは確かに存在しますが……あれ、平然と夏目漱石の『坊ちゃん』『吾輩は猫である』『こころ』とかをAIだということがあるそうですよ。
まあ先日私もやったように、人間が書いた文章でもAIだと平然と判定します。
まあ、全文(10万文字以上)でやったら、現行のAIはさすがに内容の整合性が破綻する可能性が出てくるので、ある程度判断できるかもしれませんが、少なくとも1万文字程度では人間とAIの区別を断定することはほぼ不可能です。
これがイラストであればAIっぽさというのは如実に出ますし、最近では人間の目には識別不可能なAI証明のパターンが埋め込まれて生成されることもあるので、判定ツールで完全に判定できるケースもありますが、文章はそういうことは不可能でしょう。
つまり、文字通り中世の魔女狩りのような状態になりかねない。
言い換えるなら、先日のような特異なパターンを除けば、AIであることを理由にはじくのは相当に難しいのです。
AI生成のタグなどをつけることは考えられますが、自己申告ですからね。
さらに言えば、製造過程を見る、というイラストのようなこともできません。
極端な話、手元にAI原稿を置いて、それを見ながら手打ちされたら判断不可能です。
あるとしたら、例えば受賞するほどの作品があったとして、それを本人が書いたかどうかを判断するのに、受賞後、目の前でお題を与えて短編を書いてもらうとかでしょうか。いわゆるテストですね。
さすがに目の前でAIは使えないでしょうから。
本当にそうするかといえば、多分しない気はしますが。
ただ、AIに無条件で拒否反応を示すのは、ほぼ意味はないと思ってます。
私は半世紀以内にはクリエイターの仕事のほとんどはごく一部の選ばれた人だけのものになるという予測をしています。あとはAIが代替する。
現在では不可能なAIの『ゼロからの創造』すらいずれ可能になるでしょう。単純に『ひらめき』を可能にするAIが登場するでしょうし。
そうなったら、とび抜けた、いわばAIの想定を超える才能を持つ人以外は、『AIの方がマシ』になります。それは私も含めて。
まあ私はそうなる前に他界しているか、創作活動ができる状態にない可能性の方が高いでしょうが。
大体の創作者の創作の原点って『世間にはないこういう作品が欲しい(見たい)』だと思うんですよ。
少なくとも一番最初は。
私とかは本当にそうで、インターネットもない時代に一人でノートとかに書いて一人で納得してました。
他の人に見せるとか考えなかったし、評価してもらうとかも考えなかった。
当時から当然小説賞とかはありましたが、そんなとこに出すとかもまるで考えずに、ただ自分が読んでみたいから書いていたんです。
他の動機としては、『これなら私が書いた方がいい作品になる』とかもあるでしょうか。稀に『仕事したくないから小説家になる』という人もいるそうですが……。
ただ今後、おそらくAIが発達することで『こういうの読みたいんだけど』といえば、一瞬で出力されてしまうようになるでしょう。
もちろん、これは良し悪しがあると思います。
前述のとおり、そういう『原点』を事実上摘み取ってしまう可能性もあります。
ただ、AIを超える能力を持たない限り、それを続ける意味はないと考えてしまう人は、クリエイターにはなろうとしなくなるでしょう。
さらに言えば、今はAIといえば生成AIですが、これはまだAIの進化段階の一つに過ぎません。これらは、人の指示がなければ動かないからです。
ですが既に次の段階、エージェントAIというものが日本にも少しずつ入ってきています。
まあこれはクリエイター分野では使い道があまりないから話題になりませんが、要するに『漠然とした命令を与えると自律的に必要な行動を考えて作業する』能力を持つAIです。
業務改善とかで威力を発揮するタイプですね。
まだ発展途上ですが、例えば会社の資料を見せて、これを作ってくれというと現行の生成AIは何が必要かすらわからないですが、それが『こういうデータが必要です』ということがわかる。で、それの場所を教えれば必要なデータを集めてきて作ってくれる、という感じです。
もちろんまだそこまでのレベルにはないですが、いずれ一般化するでしょう。しかもおそらくは、2~3年以内に。
この『自律的な疑似思考が可能』なAIがクリエイター分野にどのような影響を与えるかはわかりませんが、これ、あるいは次の段階のAIでは、例えば人のバイタルを見て、落ち込んでいるときなどに気分を変える音楽を自動的に生成する、といったことをやるAIが出てくるかもです。
著作権のエッセイでも書きましたが、AIに思考停止で反対するのは意味がありません。それは、タイプライターが出た時にそれで小説を書くことに『魂がこもらない』的なことを言った人や、デジタルイラストが登場したときに『あんなものは本当の絵じゃない』といった人と同じことを言ってると思います。
AIという新しい技術を、どのように活かすかを考える方が建設的でしょう。
現実問題として、小説自体は過剰供給状態ですからね……書籍そのものの将来像もまた、結構不透明ですし。
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自作紹介
[連載中作品]
●転移直後に竜殺し【異世界ファンタジー】
https://kakuyomu.jp/works/16817330660905115993 大学生になる直前の青年が異世界転移して剣と魔法の世界を冒険するお話です。
基本二日に一回、0時に更新。
現在第三部。完結へ向けて動くはず。
●白雪姫の家族【恋愛】
https://kakuyomu.jp/works/16817330656060480073 超スローペースで進む年の差(八年)ジレジレ恋愛モノ。
最初ヒロインは高校一年生でしたが、今や大学二年です。
2025年度内に完結見込み。
基本四日に一回、0時に更新。
●ライトノベル販売部数レポート【エッセイ】
https://kakuyomu.jp/works/16818093090102792443 オリコンランキングの数字を追ってるレポート。
実際に書籍化したらどのくらい売れるのかという生々しい数字が分かります。
基本、週末に更新しています。
[完結済作品]
●ナツキとアキナの天体観測【ラブコメ】
https://kakuyomu.jp/works/16817330659786314428 コメディ要素ほぼ皆無ですが(汗)
さくっと読める(本編5万字程度)の部活モノ恋愛話です。
●聖良の魔女工房運営記【現代ファンタジー】
https://kakuyomu.jp/works/16817330661627349172 昭和四十年代が舞台という少し珍しい世界で、魔女がいるお話。
4万字ちょっとと私の中ではかなり短め。ただし続編の予定あり。
●蛇憑きの姫と仮初の契り【異世界ファンタジー】
https://kakuyomu.jp/works/16818792439590137685 無理やり『ナツガタリ'25』に参加するために、わずか6時間で書いた話。
この中では間違いなく最短のお話です。
テーマは『和風ファンタジー×契約結婚』ですが、多分一般とはかなり違うかと。
ツッコミ歓迎(マテ)