四十八話を書くのに、二日か三日かかった。
苦しんで苦しんで、二日で二十時間はトロピコ6をプレイして、よき|大統領《プレジデンテ》として善政を敷いた。具体的には植民地時代には一次産業である農業の態勢を盤石にし、ラム酒や葉巻などを製造・輸出し、世界大戦時代には造船業に進出、これでキャッシュフローを安定させつつ、特殊部隊にカリブの襲撃を任せて幸福度をキープ、冷戦時代になると原子力発電に移行し、製薬会社で安定して外貨を稼いだ。トロピコ市民たちも俺のような大統領を戴けて幸せだったことだろう。
余談は置いておいて、なぜ書けなかったか、無意識を見てみたところ、つぎの二点だった。
①セトのエピソードのディティールをもっと詳しく書く。
②主人公たちに悪事を働かせてよいものかどうか。
①は書いている内に気が付いて、昨日は二時間ほどマインドマップという手法でセトを深堀した。
②は今日うんうんと頭をひねらせているときに唐突に気が付いた。
愛するキャラクターたちに犯罪に手を染めさせてよいものかどうか、という俺の親心が障害になっていたのだ。
これを解決するために、三点の解決策を用意した。
A.被害者をめちゃめちゃイヤな奴にする
B.命を賭けてくれた友人のため、自分が生きてテーベに帰るため、やむなくという気持ちを思い出す
C.盗みに対する葛藤のシーンを描く
これでようやく筆が進んだ。
やはり書けないときには自己との対話が一番だなあ、と改めて思った。
ではまた次回。