悠月奏(ゆづき・かなで)です♡
今回は、当作品「ゲノムの聖痕」のヒロインたち、〈オメガ〉の変異特性について語っていきたいと思います!
既に本編で詳述したとおり〈オメガ〉ちゃんたちはDNA変異体、ありていに言うと「ミュータント」という存在です。
なんで〈オメガ〉という名称なのかというと、これはまぁ作品演出上いろいろな都合があるのですが、最大の理由は「ミュータント」と書いてしまうと、なんか「ミュータント・タートルズ」の印象強すぎないですか?笑
あと「Xメン」とか…笑
なんというか……遺伝子の突然変異体、という意味では「ミュータント」と表現するのが一番正しいとは思うのですが、読者の皆さんの頭の中で、彼女たちが出てくるたびに亀の甲羅を背負った緑色の生物とか、拳から鋭い鉤爪が突き出たキャラを想像されたくなかったというか笑
いや、ヒュー・ジャックマンさん大好きですけどね!
じゃあなんで「オメガ」なのかというと、これ実は後々ちゃんと出てきます。
どうしてそういう名前で呼ばれるようになったのか、という描写、どっかで書きますので、ぜひお楽しみにしててくださいね!
さて、今日の話の主題はそんなことではなくて……
彼女たちの最も基本的な特性「放射能耐性」について、いろいろと考察していきたいと思うわけです。
本編でも触れていますが〈オメガ〉ちゃんの大半は、日本国内で放射能汚染が深刻化し、立入禁止区域となった〈PAZ〉で発見・保護されたことになっています。
多くのフツーの人々が、放射能の影響で悪性腫瘍を発症し命を散らしていく中で、彼女たち〈オメガ〉だけは、放射能の悪影響を一切受けていなかった――。
これも、実は奇想天外な想像上のお話ではないのです。
そんな……放射能を喰らって平気な人間いるわけないじゃん!?
と思っている方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが。
実は人間の秘められた能力ってまだまだ分かっていないことだらけなんです。
ある例をご紹介しましょう。
これは「ヒ素」という、人間にとってとても有害な、猛毒成分に対する耐性を持つ人々の実話です。
「ヒ素中毒」で亡くなったとされる有名人といえば、かのナポレオンに始まり、フランス印象派の画家として有名なセザンヌ、さらにはゴッホなど(彼の場合は直接の死因というより精神破綻を起こした原因と言われていますが)。
日本でも昔から、ヒ素を少しずつ盛って徐々に身体を弱らせ、死に至らしめるという話はよく聞きますし、戦後まもなく起こった「森永ヒ素ミルク事件」、近年では「和歌山毒物カレー事件」でもその殺害方法はヒ素を混入したことによるものであった、と最高裁が認めていますね。
ところが、こんな猛毒の「ヒ素」が何ともない! という人々が、実はリアルに存在するのです。
ところは南米アルゼンチン。
同国北部の、標高4,000メートル付近に位置する「サン・アントニオ・デ・ロス・コブレス村」というところには、「ヒ素耐性」を持つ人々が多数暮らしているんだそうです。
彼らの遺伝子を調べたところ、「AS3MT」という遺伝子が、ヒ素の影響でメチル化(細胞分裂を行わなくなる遺伝子の異変)した酵素をコーディングする(読み取る)働きを持っていることが分かり、この遺伝子が体内のヒ素を無毒化する働きをしていることが判明したのです。
これマジです笑
(※厳密には「SNP解析」というやり方で確かめられたそうですが、SNPって少し難しいお話なのでここでは省略しますね。)
というわけで、今作における〈オメガ〉ちゃんたちも、このコブレス村のヒ素無毒化遺伝子を持つ人々と同様、「放射能コーディング遺伝子(=放射能無毒化遺伝子)」を持つ存在、として描いています。
あ、もちろん現段階では本当に放射能を無毒化する人々が発見されたわけではありませんよ。
ただ「ヒ素」があり得るなら「放射能」もあるんじゃないか、という意味です。
でも、あながち嘘ではないかもしれません。
まだきちんと見つかっていないだけで……。
実際、急性被曝だと例外なく遺伝子が破壊されて人体は再生機能を失うとされていますが(東海村のJCO臨界事故がワーストケースですね)、それ以外のケースでは別の可能性もあるかもしれません。
(※ちょっとこの辺まで来ると非常に注意を要する議論になりかねませんのでここらで自重しておきますね……)
ともあれ、人間の遺伝子の秘めたる能力、特にその働きがまだまだ解明されていない「ジャンクDNA」の中には、私たちが想像もしていなかったような機能をある日突然発現する可能性があるわけですから、ヒトって奥深い生き物だな~、って思いませんか?
悠月はワクワクで物語を書いていますよ!
では今回はこの辺で。
またお会いしましょうね♡