この展開を予想していた方はどの程度いらっしゃったのでしょうか。
作品のテーマの根幹は、愛でもあるわけなのですが、あまりにも深く、想像を絶するものでもあります。
仮にその方法を思いついたとしても、未来で必ず果たされると判っていても、再会の未来のために、人間は果たしてどれほどのことが出来るのでしょうか。
これほどまでに殉じられる感情とは、一体何と呼ぶべきなのか。私は他の呼び方を知らぬのです。
せっかくなので、フレーバーテキストを載せましょう(ネタバレ注)
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◎邪竜ジャバウォック
東の空が褪せゆく夕暮れに、その名を囁かぬものはいない。
ヘカーティア――かつて『夜警の女神』『女救世主』と謡われし王妃にして、ベスタルの巫女たちが仰ぎ見た光。その女が、邪竜となり果てた姿に対する侮蔑的な呼び名。
すべて、瞳で未来を覗きこんだがゆえに。
失われし夫との約束を叶えるため、東の地に蠢く呪詛を、純潔の聖杯に注ぎ込み、一滴残らず啜り飲み干して、みずからを闇へと溶かしていった。
600年の満ち欠けを経て、呪いは都市を育む養分となり、レイラインを伝い、ベスタルの血脈を潤した。すべてはそれが、夫の蘇生に繋がると理解してこその行い。
死者たちの肉と魂を従えるほどの力を得て、滅びをもたらすことを防ぐため、みずから策を弄し、己が力を縛った。
|邪悪なる軍勢《ワイルドハント》には父という弱き存在を据え、仇敵ヴォーパルの剣に幾度となく討たれることで、闇の本能を抑え込んだ。
死より耐えがたき|苦患《くげん》の淵に沈みゆきながら、なお、その手は未来への糸を紡ぎ続ける。
約束の地平で夫を待つ、あの日の面影を夢見想いながら。