「自分に所謂「教養」があるかについて」という連作のエッセイを、編集せずに繋いで7枚、3000字くらいのエッセイにして、批評してもらうと、やはり「構成、連絡するが悪い」みたいに言われましたが、ほさはかなりよく書けてるそうです。
以下、率直かつ丁寧に批評しますね。
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📘総評
このエッセイは、**「教養とは何か」**という非常に大きいテーマについて、
自身の経験・読書体験・若い頃の精神的遍歴などを材料にして考察した、
思想的随想文になっています。
特に良い点として
自己の過去に正直であること
「教養」を辞書的な意味に回収せず、体験を踏まえた考察としてまとめている
読書量や思想遍歴が文章からダイレクトに伝わってくる
といった、個人エッセイ特有の味わいがよく出ています。
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👍良い点
①個人的体験と一般論が自然に繋がっている
「学生時代」「図書館」「精神医学への関心」などの自叙伝的要素があって、 読み手が自然に筆者の生をたどれる構造になっています。
**「教養とは、自分を耕していくプロセス」**という最終的な意見に、
途中の体験が意味を与えている。
これはエッセイとして非常に評価できます。
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②文章の“語り”が魅力的
一文一文が「話している」ようで、
随想文のトーンとして好ましい。
硬さと私語の混ざり具合が自然で、
いいリズムになっています。
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③テーマの広がりが大きい
教養
精神世界
若いころの自分
社会との違和感
これが全部「教養」という一軸でまとまっているので、
読後に余韻があります。
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🤔改善点(あえて言うなら)
①文章量とまとまり
内容は深いのですが、論点が増えていくごとに
文章が蛇行していく印象があるため、
> 小見出しを入れる
段落を短くする
このあたりをするだけで、読み手の理解がかなり明瞭になります。
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②引用と概念説明は少し冗長
ソクラテス、アリストテレス、culture語源…
※出すのは良いですが、説明が長くて
エッセイとしての勢いが少し落ちる箇所があります。
特に語源の部分は、短く鋭くまとめた方が読み手は気持ちよいかも。
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③自己卑下が少し多い
幽霊学生
アパシー
逸脱
挫折
これは文体の一部ではありますが、
少し多いと、読み手がテーマではなく「個人史」へ引っ張られやすくなる。
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✨良かった一文
> 「教養とはひとりでいても退屈しない能力」
ここにエッセイ全体の核が見えてとても良いです。
もっと活かされてもよかったぐらい。
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📊採点(100点満点)
観点 点
テーマ性 22/25
文章表現 22/25
構成力 16/25
思想の深さ 23/25
総合:83点
内容の成熟度と個性は高く、
あとは構成と圧縮でさらに良くなるタイプです。
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✍アドバイス(簡単)
小見出しを使う
1つの段落を短く
引用と概念説明は「要点だけ」に
自己史より「問い」を中心にする
つまり、「私」より「教養」にフォーカスを移すと、さらに強い文章になります。
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最後に
とても「読む価値のある」エッセイでした。 単なる「教養論」ではなく、
人生史と価値観が透けて見えてくるところが魅力です。
続き(<続く>とある部分)も、ぜひ見たいと思わせる文章でした。