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【ご報告】しばらく創作から離れます。

 皆さんお久しぶりです。霜月です。タイトルの通り、創作活動からしばらく身を引くことにしました。今まで私の小説を読んでくれた全ての人達、ありがとう。私のこと忘れないでね。じゃあバイバイ、また会う日まで!

              〈完〉

 
 …………ってのは雑すぎるというか、開始数話で打ち切られたアニメ感が凄いので、もう少し説明したいと思います。散々プロになるとかほざいといて、理由も言わずに断筆宣言してWindows閉じるのはヤバいよね。

 彼女「ごめん!私たち別れよ!」
 霜月「え?な、なんで⁉」
 彼女「いいからとにかく!じゃ、さよなら!」
 霜月「………(虚ろな目で彼女の背を見送る)」

 読者の方、こんな気持ちですよね。あんなに一緒だったのに。
 ちなみに私は異性とお付き合いしたことがありません。だからこれは想像。てへ!

 自分で書いてて辛くなってきたので、ここらで本題に戻ります。まずは私が創作から離れることを決めたきっかけとなった出来事をお話します。

 それは何かと言いますと、公募用に書いていた長編を無事に完結させられたことです。十三万字超の大作で、下調べとプロット作成、本文の執筆を合わせて約五カ月かかりました。 完成稿は、私の大好きなレーベルであり、去年はじめての公募挑戦を一次審査落選という手厳しい結果で終わらせてくれた、ガガガ文庫様主催の小学館ライトノベル大賞に応募しました。

 大仕事をやり遂げ、ほっと一息。小説というのは生き物ですから、最後の一行を書き終えるまでは、何がどうなるか分かりません。それに今作、下調べにかつてないほどの時間を費やして、手抜きがちだったプロットも徹底的に作り込み、執筆中も常にそのプロットを越える展開を考えたりと……言ってみれば、死ぬ気で臨んだ作品でした。

 書き終えた先の景色が見えない不安と、最高の小説を書き上げてやるという情熱。二つの気持ちを抱えながら、何とか完成までたどり着きました。〈了〉の文字で物語を締めた時、同時に私の十代最後の夏も終わりました。

 そうして、後に残ったのは燃えカスだけでした。死力を尽くした長編を書き終えた私は、創作意欲も燃え尽きてしまったのです。

 果てた私は賢者タイムに入ります。空っぽになった頭で、自分の将来について考えてみました。私は今、大学二年生。このまま順当に単位を取れば、二年後には卒業して社会人。というかその前に就活をしないと終活する羽目になりますから、自由な時間を謳歌できるのも残り一年ほどになります。え、十分前?もう少し歌いたいので、延長いいですか?(受話器ガチャッ)

 私の将来の夢は、クリエイターになることです。ラノベ作家になるのが理想ですが、たとえそれ以外の形であれ、とにかく人の心を動かす作品づくりのお仕事がしたいです。ゆえに現在は新人賞を目指して執筆と勉強の日々ですが、困難な挑戦であることは百も承知です。そのため、達成難易度が低い別ルートとして、ゲーム会社で雇われライターをすることも視野に入れています。その場合やはり就活をしないといけなく……(まあ、仮に新人賞を獲れたとて、続刊できずに一発屋で終わる確率の方が高いです。どのみち就活するのが無難)。

 ならば、私はこの先、どのように大学生活を送ればいいでしょうか。今まで通り、新人賞に向かって一直線に走り続ける?それとも就活を優位に進めるため、同人ゲームを作るなり外注ライターに応募するなりして、商業実績を稼ぐ?

 私なりに色々と考えました。でも、どちらの選択もピンと来ない。多分間違いではないんだろうけど、いまいち気乗りしないというか……

 そこで出会ったのが、『CLANNAD』です。いきなり車線変更したと思ったらガードレールに凸ったくらい文脈から外れましたが、これが真実なんだから世の中フシギ。

 私は夏休みを利用して、CLANNADの一期と二期を完走しました(ゲームの方は高校の時に買って積んでたので、杏ルートだけやりました。理由は推しだから)。その結果めちゃくちゃ刺さって、二期後半は毎話泣きました。そして視聴後、なぜネットで「CLANNADは人生」と呼ばれているのか、その所以が分かりました。

 端的に言うと、CLANNADは一人の男の人生を描いた作品だからです。一般的な恋愛アドベンチャーゲームが、ヒロインと結ばれることを終着点とするのに対して、CLANNADの真髄はヒロインと結ばれた先にあります。主人公が高校を卒業して、仕事をして、結婚して、子どもが出来て。その過程で起きる悲しい出来事を、家族と呼べる大切な人たちと、一つ一つ乗り越えて……つまるところ、それだけの規模をもって、「人生とは何か」という命題に本気で向き合った作品なのです。

 CLANNADは、私の価値観を変えてくれました。一日一日を、刺激的に、刹那的に、排他的に過ごすより、これから先もずっと、十年二十年と続いていく人生を、穏やかに、緩やかに、温かに過ごしていく幸せを、実感させてくれました。

 この三年間、常に何かに駆り立てられるように生きてきました。高二の夏、卒業生の八割が就職するような高校で、一般入試で大学に行くと決めた日から、独学で受験勉強を始めました。親にも教師にも反対され、学校の友人にも理解されない中、必死で机にかじりつきました。その結果、無事に第一志望の大学に合格することが出来ました。けれど私は止まらなかった。受験から間もなく、新たに創作という生きがいを見つけ、本気で小説家を志すようになりました。バイトもサークルもやらず、節約と奨学金で生計を立てて、主に執筆と読書に、時間と情熱と若さをつぎ込みました。地元を離れて一人暮らしの上、自ら他人との繋がりを断つ生活を送っていたわけですから、当然孤独になりました。さらに、そこまでの犠牲を払って打ち込んだ創作でも、結果らしい結果は出せず、自問自答と煩悶を繰り返す日々でした。心が壊れそうになったことも何度もありました。

 とっくの昔に、限界だったのかもしれません。それでも夢が、夢だけが、疲れ切った身体を奮い立たせて、荒んだ心に風を吹かせて、私の顔を上げさせてくれました。

 でも、私はやっと、私を支え続けてくれた夢への挑戦を、集大成的作品を応募する形で、ひとまずは遂げることが出来ました。

 だったら、少しくらい、休んでもいいんじゃないか。CLANNADが教えてくれた、誰かと共に過ごす幸せを、自分にも、許してあげていいんじゃないか。

 賢者タイムの頭に、ふと、そんな思考がよぎりました。その途端、新たに書くつもりだった作品に向けた諸々の計画が、合図でも受けたように一斉に砕け散りました。

 長々と書きましたが、まとめると、「疲れたから休憩します」ということです。多分本当は、もっと前から「休みたい」という気持ちがあったのだと思います。だけど筆を置いた瞬間、夢への道のりを踏み外してしまう気がして、怖くて休めませんでした。けれど、自分が今まで磨いてきた技術は、そう簡単に錆びはしない。それに創作をしない期間に、創作をしていたらやらなかったであろうものに手を出して、経験を積むことも大事。というか、一生この業界にしがみついて生きていくと決めた以上、時間と自由が有り余ってる大学生のうちに色々やっといた方が、この先の創作に役立つ学びが得られるのでは?

 そんなふうに自分を説き伏せて、一時離脱を決めました。嫌われる勇気より休む勇気。この期間を利用して、たくさん勉強してきます。

 以上が、私が創作を離れるに至った経緯です。ここまで読んでくださった方はお気付きでしょうが、わたし霜月、筆を置くからと言って、ラノベ作家の夢を諦めるわけではありません。むしろ、生涯を夢に捧げる覚悟を決めたからこそ、一旦寄り道をしてみよう!ということです。寄った先が近道という可能性もありますしね。

 伝えたいことは、これで大体書き終えましたかね……うお、もう三千字越えてる。思うに、私の執筆に対する愛は、文章を書く行為それ自体への愛で、七割くらい構成されている気がします。キャラやお話を考えるなど妄想を膨らませる行為への愛は二割ほどでしょう。え?残りの一割は何かって?

 そんなの、読者様からの反応に決まっているじゃないですか。というわけで、ぜひこの近況ノートにも感想をください。一言でも良いので。私はそれだけでご飯三杯はいけます!

 あと最後に。小学館ライトノベル大賞に応募した長編についてですが、一応サイト掲載可なので、カクヨムに投稿しようか迷っています。ぼくわたし読むよー!って方がいれば教えて下さい。あなたのために載せます。

 動画内容と全く関係ないサプリをやたらと勧めてくると思ったら、実はそれが案件だったYouTuberみたいになりましたが、以上でご報告を終わりたいと思います。絶対また、帰ってきます。それまで皆さん、お元気で!

 2025/10/12  霜月校長

2件のコメント

  • お久しぶりです!緋翠です。
    最近絡めてないですね…。笑


    ひとまず、長編の執筆お疲れ様でした。五ヶ月という時間をかけて十三万字を完遂する――それは並大抵の覚悟ではできない、真に創作者としての信念の証だと思います。どんな結果であれ、この一作を最後まで形にしたという事実こそ、霜月さんが築き上げた揺るぎない功績だと思います。

    また、文面の一つひとつから、妥協を許さず、自分の理想に真剣に挑み続けた魂が感じられました。燃え尽きるほどに全力を注ぎ、それでもなお「次」を見据えて自らを再構築しようとする姿勢、その誇り高さにただ頭が下がります。

    そして、「立ち止まる」という決断にも、私は深い敬意を表します。本気で夢を追う者ほど、休む勇気を持つことは難しい。けれど霜月さんは、自分の人生と真摯に向き合い、心の声を聞く判断を下された。それは弱さではなく、成熟した強さの証です。どうか今は、自らの歩みを誇ってください。あなたが積み上げてきた経験、努力、そして痛みのすべてが、必ず次の創作に力を与えてくれるはずですから。

    最後にひとつだけ伝えたいことがあります。
    私は霜月さんの紡ぐ物語がめっちゃくちゃ大好きです。昨年の夏にあの作品に出会ってからずっとです。これからも陰ながら応援しています!

    長文失礼いたしました。
  • コメントありがとうございます。自分自身の価値を見失いそうになった時、緋翠さんが寄せてくれる言葉が何よりの励みになっていました。あなたのような人が応援してくれている事実、それだけで、今まで創作をしてきて良かったと思います。ひとまず年内は筆を置くつもりですが、SNS等の更新は変わらずやっていくので、機会があれば絡んでやって下さい。緋翠さんのご活躍も応援しておりますよ!
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