https://kakuyomu.jp/works/16818093091239666127/episodes/16818093094014984150なるべく自然な形で三章につなげようとした結果、十五話のラストから五百字程度の情報追加を行いました。
既に当該エピソードを読了した方に向けて、以下に今回追加した文章を載せておきます。
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戦争を間近に控えていたダイン帝国とデュラン王国がベオウルフ公国の仲立ちの元に和解、並びにベオウルフ公国を盟主とした三国同盟の締結。
同じ日に何の前触れもなく報じられた二つの知らせを受け、世界に激震が走った。
軍事大国たるダインが宣戦布告を撤回したという報道はダインの気性を知る各国にとっては信じ難く、どころか勝ち戦を放棄してまで和解を選択した事実はまさに青天の霹靂であったが、間もなくして戦争を未然に防いで見せたベオウルフに惜しみない賞賛を送った。
ベオウルフの神憑り的手腕によって実現された歴史的和解。何も知らぬ国々の眼には、一連の流れがそのように映っていた。
しかし全てはカバーストーリー。デュランという影のリーダーを隠すために作られた人為的な奇跡だ。
三国同盟も表向きには世界的凶作に対抗するための協力関係だが、その実態は対バルゼノン教国を目的とする連携であり、それを知る国は当該三国のみ。
それでも、一握りの聡明な王たちは、この奇跡のトリックがデュラン王国にあることを見抜いていた。
「落ちぶれた大国」「落果のリンゴ」「老いた雄鶏」
聡明な王たちは、それまでデュラン王国に下してきた散々な評価を訂正し始める。
────在りし日のデュラン王国、かつて「楽園の王国」と呼ばれた時代の栄華を思い出しながら。