なろう側で”いちおしレビュー”をいただいたので
カクヨムサイトでもご紹介します。
レビューありがとうございました!
【戦場と恋のギャップが生む、王道SFラブコメディ】
宇宙艦隊提督という重厚な設定と、恋愛偏差値ゼロという「ギャップ萌え」を主軸に置いた作品。ハナとフクオカの「両片思い」によるすれ違いは、もどかしくも微笑ましい推進力となっている。
物語中盤、コメディから一転して「死と時間遡行」というシリアスな展開を迎える構成は、停滞した二人の関係性を打破する荒療治として機能している。SFギミック(アノマリー)による解決はややご都合主義的だが、その後のフクオカ視点による「答え合わせ」が彼の誠実さと苦悩を補完し、物語に深みを与えた点は高く評価できる。
関係進展の多くが参謀エルミナのお膳立てに依存しており、主人公二人の自発的な「恋の戦術」がもう少し見たかった点は惜しまれる。とはいえ、悲劇を乗り越え王道のハッピーエンドへ着地させる構成は安定しており、読後感は非常に爽やか。「戦場では最強、恋には最弱」というキャラの魅力を活かしきった良作である。