今まで読んできた海外文学で好きな作品をまとめました。もともと雑食なのでジャンル、国籍はバラバラです。
第五位 魯迅『故郷』
教科書で読んだ時は何とも思わなかったけど、年を重ねながら何度も読むと良さがわかってくるいぶし銀な作品。楊おばさんの登場で毎回笑ってしまうのが玉に瑕。
第四位 金裕貞『椿の花』
ヒロインがツンデレを超越したナニか。やってることがおかしい。ツンとかのレベルじゃないシンプルなイジメ。それでも恋心がしっかりと伝わってくるし、思わずダンコウバイの香りがしてきそうな雰囲気が大変良い。同作者の『春・春』と登場人物の名前が丸被りしているのでたまに間違える。
第三位 カフカ『変身』
私が海外文学に引き込まれるきっかけになった作品。物語ってこんな終わり方で良いのか……!と中学生くらいのときに読んで衝撃を受けた。ひたすらグレゴールが可哀想だがそれこそがキモであるというもどかしさが辛い。せめて家族は幸せになって。
第二位 ブロンテ『嵐が丘』
いわゆる愛憎劇。ただその配分は愛一割、憎しみ九割くらいの超鬱作品。登場人物の名前が頻繁に被るし家系図はややこしいし語りも複雑で大分難解。おまけに主人公のヒースクリフが本当に意地悪でイライラするのだが、百パーセント純愛物語なので全部許せる。ただしリントン・ヒースクリフ、テメーはダメだ。
第一位 カミュ『異邦人』
初めて読んだ時、これは私だ!と、とてつもない衝撃を受けた。主人公のムルソーに兎に角共感できる。自分の裁判には無関心でありつつも、押しつけがましい神父には怒号を飛ばす姿……世間一般の評価は知らないけど、私にとっては自分の存在を肯定してくれたような気がして嬉しかった。
殿堂入り 李箱『翼』
李箱の作品は全部好きだけど、それだとランキングが李箱で埋まってしまうので控えた。今さら語るまでもないので『翼』については何も書かないが、李箱の他の作品では『東京』が皮肉めいていて笑えるのでオススメ。
以上です(以上と李箱の発音をかけた激ウマギャグ)。
惜しくもランキング入りは逃しましたが、他にヘミングウェイ『老人と海』『Cat in the rain(邦題知らない)』なんかも好きです。全体的に短編が好きみたいですね。今はナボコフ『ロリータ』を読み進めているので、完読頑張ります。