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刑事から「松を切れ」と言われた

我が家には、もうずいぶん昔から一本の松の木が庭に立っている。
別段、何かしら思い入れがあるわけでもなく、自分や家族が植えたわけでもない。引っ越したときに前の住人が残していったものだ。だから手入れもせず放置しておいた。

そしたら、そこは流石に松。
伸びつわ伸びるわ、ジャックと豆の木かあレベルに天へむけてするすると。
いつの間にか巨木となり、支えきれないほどの枝葉を伸ばし、風が吹けばゆさゆさ揺れて周囲へ枯れ葉を飛ばしまくる団地の悪ガキに成長していた。

「松の木を切ってくれんかのお」

流暢な広島弁で声をかけてきたのはスキンヘッドのおっさん。
我が家の道路を挟んで真向かいのお宅だ。直接聞いたわけではないが、団地の噂話では刑事ということだった。刑事なら「マル暴かな」という顔をされている方だ。

「あー、でもこんなに大きな木ですしぃ、ぼく一人ではどうもこうも……」

話を打ち切ろうとしたが、そこは相手もプロ。
「あんたが、ここまで放置したからやろ」

と、睨んでくる。

「うちに飛んでくるんや、迷惑かけられとんや、そこんとこ考えてくれえや」

「……はい」

と、いうわけで僕の趣味は昨日から「松の枝葉を切る」ことになりました(゚∀゚)アヒャ

さっそく高枝ノコギリをホームセンターで購入してきて、本日、るんるん気分で切り刻みました。とはいえ、枝は多いので簡単にはいきません。とにかく時間がかかる。

「まあ、趣味だし。長く楽しもう」

そんなわけで、これから数カ月間は松の木と格闘することになりそうです。

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