遅まきながら柴田恭太朗さんが続けてこられた自主企画の三題噺が、今月、ついに✨第百回✨を迎えました。
おめでとうございます!
バイクを走らせて崖から落ちかけて音楽をやって災害に備えて備蓄品を常にフル完備して無線で人命救助して小説を書いて、以前はカクヨムコンのリアル順位を日々更新されていた方です。
その上に作曲まで出来るなんて、多芸多才すぎません?
そんな柴田さんの三題噺百回記念行事!
♯98~100までのお題の中で、タグに「♪」マークをつけて立候補した作品の中から、柴田さんがいくつか選んで、音楽とAI画像をつけてくれる素敵企画。
第一弾と第二弾はこちら。
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◆第一弾・九月ソナタさん
「廃墟の金酒」
YOTUUBE)
https://www.youtube.com/watch?v=5ZBk1B4NUsY本編)
https://kakuyomu.jp/works/16818622176536966267九月ソナタさん)
在米の方。
カクヨムでは目立ちませんが、美術系のサイトでは、とんでもない数の愛読者を抱えておられます。
世界各地を旅行して、子どものままの感受性と想像力での~びのびとお書きです。自由奔放のようでいて、きらきらした感性から生み出される俊逸な表現力に唸ります。
大人になるとなかなか子どものままの感性で書くということが出来なくて、ついつい資料や設定や完成度に雁字搦めになりがちですが、そういうものをさっくり岸辺において、白い雲と遊んでいるような自由闊達な作風が魅力。
お人柄を反映してその作品は、「無邪気で上品」。
いいですよね、無邪気で上品って(笑)
上質の児童文学、または、品のいい恋愛小説をお書きになれる方ではないでしょうか。
「廃墟の金杯」は珍しくダーク寄りで、古典ファンタジーらしい趣きがあり、物悲しい柴田さんの曲とあわせてお気に入りです。
◆第二弾・四谷軒さん
「古来征戦幾人回 〜タラス河畔の戦い〜」
YOTUUBE)
https://www.youtube.com/watch?v=bHey1f0ULA0本編)
https://kakuyomu.jp/works/16818622176603101856四谷軒さん)
いわずとしれた、歴史ジャンルの代表のような方。
『干物二次(ひものにじ)』ともよばれる歴史物。つまり元ネタがあって、それを二次創作的に調理するということですが、誰を主役に、どの場面を、どんな風に味付けするかで、おのずと力量は出ます。
司馬遼太郎なんかも、嘘っぱちだと分からんチンに攻撃されがちですけれども、確かにこんな人だったかもしれない、こんな癖があって、こんなことを考えていたかもしれない、と生きた人物として読者に思わせる、それが物語というものじゃないですか。
「資料を精確に写しました」
そんなものを書いているのではないのですから。
四谷軒さんはわりと、オーソドックスかな?
あんまり奇をてらったりはされず、史実に沿った万人向け。ブレのない安定した文章力で骨太かつ硬派な作風。
文章がこなれていらっしゃいますよね。どんな歴史の局面でもかみ砕いて、手短に、しかし内容は濃厚に、さらさらとお書きになれそうです。
そして俯瞰的。
贔屓の武将がいたとしても過剰に肩入れすることなく、歴史上の人物を盤上において眺めているような感じで書いている。
横山光輝を文章にしたような感じでしょうか。
いま気づきましたが、光輝。すごい名前ですね眩しそう。
タイトルの『古来征戦幾人回』は、唐の王翰の詩からとったもので、(誰も帰ってはこなかった)の意味です。
それを踏まえて作品を読み、音楽をきくと、栄枯盛衰と歴史のうねりを感じますね。
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このお二方の作品、ともに、♯98のお題「世界」「酒」「紙」で書き下ろされたものなのです。それぞれの持ち味が十分です。
柴田さんのつけた曲、びっくりのハイクオリティですよね。
◆第三弾がこちら。朝吹作「空挺部隊ファーヴニル」。
お題は♯99「雨」「口」「理由」でした。
九月ソナタさんと四谷軒さんのものがファンタジーとヒストリーだったので、ここはひとつ毛並みが違うやつがあってもいいよね~と、余興のイロモノ枠で参戦しました。
YOTUUBE)
https://www.youtube.com/watch?v=X8lrxDX9ERQ本編)
https://kakuyomu.jp/works/16818622176970723924エモい。
AI画像ともども、すごくないですか? すごくないですか?(二度云う)
自作が映画になってる。
くらいの愕きです。
「女の子がツンデレ過ぎますよね」と柴田さんから云われて、「ツンデレ好きなんです」とわたしが応えるというカオスを経て、この仕上がり!
トップをきった「廃墟の金酒」がびびるほどのクオリティで、この後どうするんだろうと心配になるほどでしたが、続々ときちっと仕上げてこられて、すごいです。
サイバーパンクとスチームパンクとシンセとオケを……と報告があった時には、まったく想像つかんわ(笑)と、一切をお任せにしたのですが、まあああなんて素晴らしいのでしょう。
緊張感のある前半がとくにお気に入りです。
こうもりになったという翼も、いかにもパンクっぽく、いい感じじゃないですか~~?
エモいです。エモいです(二度)
作中の彼はイケメンの上に、柴田さんの趣味まるだしでツンデレが微笑んでいるというサプライズ(笑)
可愛い~~あははははは~。
彼らの年齢差についてコメントがあったのですが、初陣が十代でしょうから、彼は三十代前半ということで。
おじさんと少女……!
ごおおおっと何かが沸き上がりますね。
柴田さんは漫画家さんになりたかったそうなので、作る過程はとても楽しいとのこと。
原作からプロモビデオの絵コンテ割りしてるような感覚なのでしょうか?
ムジカピッコリ―ノ風な、レトロ感ある小物もいいですよね。
おめでたい第100回なのに、参加者がお祝いをもらうという。
柴田さんありがとうございました✨
ファーヴニル、よければ読んでね♡
以上三つが先行で、この後に6作品、創られるそうです。
完成したらその都度、案内があるでしょうから、柴田恭太朗さんの近況ノートをチェックです。
♯98と♯99のお題を合わせ技で使った鐘古こよみさんがお書きになったこちらもよいですよ~。
(もちろん柴田さんの曲が後日つきます。絶対いい曲)
◆「月煙奇譚」鐘古こよみさん
https://kakuyomu.jp/works/16818622177310937048中島敦がお好きということもあり、その精神を継いでる感じがあっていいですよね。
いえ、前回の返信で、中島敦の代表作「山月記」において、「なんでやねん」と思ったその理由というのが、なんで虎?
なんで虎なの?
虎、かっこいいよね。
めそめそと、こうでああでそれでこんな浅ましい姿になってしまったんですって語ってるわりには、虎。
そういうわけで最低な人間なんですって泣き入れながら、いけてる猛獣を選んじゃう。
ラストはかっこよく夜空に向かって吼えてるとこを見せるぜ!
メダカくらいになっとけよと。
そういうとこだよ。
元ネタがあるのは分かるけど、悔いているお前の本気度が伝わらんのだ。
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(新作)
◆「シャーベット」
https://kakuyomu.jp/works/16818622174932589167動画配信中の富士山滑落死亡事故の男性をモデルにした創作。
雪が積もっている季節に、夏のような軽装で、下山を考えるような遅い時間から、ひとりで動画配信しながら登山して、滑落死。
一人か二人のリスナーの為に、「まったく面白くない」と云われながらも、こつこつと日常動画を配信していた彼の姿は、まったく読んでもらえない(こともある)、私たちにも刺さるものです。
たった一言がその作品を永久に闇に葬ることもあれば、一つの感想がつくだけで、書き続けることが出来ることもあります。
「雪が見たい」と云った人に雪の映像を届けるために彼は富士山に登りました。
もちろん彼のやったことは愚行です。大勢の人に迷惑をかけています。
でもその後ろ姿を想う時、ウケを狙った他の迷惑系YOUTUBERと同じ扱いにはしたくないなと。
厳しいことを云うようだが。
これを頭につければ、他者に向かって何を云っていいと考えている人もいますよね。
執筆界にもいます。
そんな人は、本人はそれに耐えたこともないのです。
「いや、わたしは耐えた」
という人もいるかもしれませんが、そんな方は、体育会系文芸部か何かで毎回のように互いをこき下ろし続けてきて、感覚がマヒしているだけです。
そのような方々は、独特の剣呑さ、不寛容さ、隙あらば猛烈に相手の作品を攻撃してぺしゃんこにする術を身につけています。
その人たちが創作界にいる意味とは、もはや、にたにたと他人の粗探しをしては嘲り笑って叩き落とす、ただそれだけが動機なのでしょう。
◆「ステアせずに」
https://kakuyomu.jp/works/16818622176768558719♯98「世界」「酒」「紙」
記念企画、最初はこれに曲をつけて下さる予定でした。
でもねえ……。
主人公がなにやら独白してるだけですし、場所がバーから動きませんからね。
「場面固定の現代ドラマに音楽をつけてもつまんないのでは」とわたしから変更をお願いして、#99か#100でお願いしたのです。
今から考えると、九月ソナタさんのと四谷軒さんの後、お口直しにこちらの現代ドラマを並べてみても面白かったかもしれませんね。
◆「空き地の王」
https://kakuyomu.jp/works/16818622177564244189♯100「宝」「話」「記念」
第100回のお題です。
おめでたい感じにするべきなのでしょうが、気がつけば通常運転で書いちゃったやつ。
そして#100の目玉はこちら!
書籍化した腹痛さんの中に、柴田恭太朗さんが出演しているという豪華なお祝い短篇!
◆「邪祓師の腹痛さん×柴田恭太朗【七福神会館】」深川我無さん
https://kakuyomu.jp/works/16818622176635525289かなめちゃんが出てたらもうそれでいい。←ピノコ的なキャラが好き
実はピノコちゃん、こっちにもいるんです。
お名前はヒナコちゃんです。
◆「メガネの探偵、二階堂 ~廃病院の噂と異界の門~」大隅スミヲさん
https://kakuyomu.jp/works/16818622177679810718(後日、柴田さんの音楽がつきます)
拙作長編「魔女とりんごの花」は柴田さんの三題噺に寄せた短篇から生まれていった長編なのです~。
続編を書いていくにあたって相談にうかがうと、著作権のことから丁寧に説明して下さった上で、快く許可をいただきました~。
その節はありがとうございました。
うん……本当は100回記念のお祝いとして、「柴田さん見て見て! あの魔女りんが『なろう』でこんなにポイントを!」とご報告にあがりたかったのです。
とてもご報告できないしょぼい結果に終わってしまってそれは叶いませんでした(笑)
いつの日か、いいご報告が出来るようにしたいです。
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下書きを整理していたら、数ヶ月前にやった、NOLA「作家タイプ診断」
https://nola-novel.com/writer-type-indicator/が出てきました。
すでに皆さんやってるやつです。
こういうのって、だいたい読めるじゃないですか。この設問に対してこう回答したらこういう結論になるだろう的な。
それが見えつつ、かといって逆張りをすることなく、問いに対して「とも言い切れない」くらいの、曖昧な回答をしていたのですが、やる度に結果が違う。
無防備にさら~っと流して回答していた一番最初の結果を採用するならば、わたしは「芸術家」でした。
同じ人いるかな?