• 現代ドラマ
  • エッセイ・ノンフィクション

変態紳士からのリクエスト

タイトルから察して。
とくに読まなくてもいい回。
-----------------------------------

◆「ひかりの冠」
KACの四番目のお題用。
ふらっと書いてみました。

半数くらいは夢落ちで提出するだろうこのお題、手垢のついた夢落ちであろうと、それをきちっと書けるといいんですよね。
定番をきっちり書く。
それが出来る人ならば何でも書けるでしょう。

定番、王道。
これをしっかり書くのは難しい。
自分の中から浮彫になるものがあるはずです。
定番だからこそ、その人らしさが随所にじりじりと。


◆「翡翠月」
友未哲俊さまの自主企画「エロスの里 第四回」企画用の書き下ろしです。

最近まったく自主企画を見てないから、一か月先の企画だと勘違いしていました。
気付いて、とび上がって、久しぶりにけっこうぴりぴりしながら書いたかも。

友未さんの嗜好がかなり限定されておられるのですが、枯れ木も山の賑わいの精神で。

高尚な官能作品にするなら、もっとネチネチ現場の実況中継や心情を書いたほうが、当然ですが、純文的になりますわよね。
まあ高尚な、と。
なんて文学的なと。

ええ分かってます。
ちゃんと分かっております。
書けるか書けないかでいったら、書けるでしょう。得意かもしれない。
そこをあと一歩踏み込めないのは、エロに高尚て……と二歩引いてしまう自分の俯瞰癖とエンタメ成分のせいです。
エロに高尚て(二度云う)


エロを書けたら一人前。


そんな伝説を鵜呑みにして頑張った時期がわたしにもありました。
三題噺をこなすようにして、

さあ!
来い!
どんな要望であっても書いてやる!

そんなやる気満々でエロネタをリクエストしたら、男の人しかいないような掲示板でしたので最初のうちは、

ロリコン、ロリコン、ロリコン、ロリコン、ロリコン

全員か。
みたいなことになってしまいましたけれども、返せるものからバシバシ書いて返してやりましたとも。
あれ、楽しかったです。
とにかくエロは、エロくてなんぼです。
エロくないなら、それ、エロじゃないから。
それを文章でっていう。

「エロネタをリクエストして下さい。書けた原稿から投稿します」
カクヨムの自主企画では出来ないのが残念です。
読みたいシチュ募集とかあっても、その人の嗜好ドストライクでないと、難しいですよね。

それで、世の変態紳士諸君からいただいたリクエスト、もはや原型留めていないながらも自分のなかで未消化だったネタが幾つかあって、1つは歳の差けっこうありますロリで、これは拙作「おさな妻」で解消し、
2つめが寝取られです。今回それを織り込んでます。
「寝取られをわたしが書くとこうなっちゃうんだな」
そんなことをしみじみと想いながら書いてました。

残る1つは触手です。

「触手ものって何」と検索すると知らない世界が広がってました。
想像力貧困なので「これは異星人に降臨して頂かなくてはいけないのか?」とくそ真面目に悩んで、結局、納得のする作品を書けないままになっています。

もともと映像や漫画の方がこのジャンルは強いわけですよ。
そこをあえて文章で。
もし触手プレイの描写で一万字埋めることができたら、そうとうな腕達者です。
変態なのかな?

でもこれを書ける人は、かなりリスペクトされるはず。
一般的にはあんまり知られてないけど、その道の人からは神さまのように別格の尊敬を寄せられる人っていますよね。
さらに漫画じゃなくて文章で。
内容はともかく、文章力にただ敬服みたいな。

なにも触手エロプレイを俎上に乗せなくても語れる話ではありますが、触手エロなんていう特殊なものを特殊のままに、読ませて書ける人って、やっぱり、わああってなるじゃないですか。
その人のはらわたから出たものの前にはおしゃれな高尚エロなんて吹き飛ぶ。
こんなことを書いていたら、戸川純の歌声が唐突に脳裏に流れてきましたけれど。

こじゃれた高尚なんかブチ破って赤裸々に書いてもなぜか高尚味がかえって出てくるのが純文のエロでございます。

そうじゃなくて、ちょっとおしゃれな感じの、文学的な薫り漂う高尚なエロね。
そちらの方が得意です。
でも高尚なエロって(笑)、そんな意識が邪魔をするのです。
まさに(笑)で。

自分が書く時だけね。
だから高尚なエロほど、本人はへらへら笑いながら書いていると想って下さい。
モロにエロい時ほど、くそ真面目に、邪魔する人がいたら撃ち殺すくらいの真剣な顔で書いているはず。
だって難しいもん。

エロはいやらしくてなんぼ。
あとはシチュだの文体だの、好みの問題でしょうか。

7件のコメント

  • 『エロはいやらしくてなんぼ』

    声に出して読みたい日本語
    標語にして貼っておきたい気分ですw

    ろりこんろりこん……
    単なるエロコメント返しなら辟易するでしょうが、作品として返球するのですから、これは結構高度ですよ✨

    確かにカクヨムじゃできませんね💦w
    ……これ、pixivとか別なサイトに投稿します、とか公然とやったら流石にカクヨム様に怒られるんでしょうかね…?
    なんかやってみたくなってきましたw
  • あ、邪魔する人がいたら撃ち殺す、も✨
  • 天川さん

    紳士諸君からは、秘めたるどエロな変態リクエストをいただきました✨
    たいへんに勉強になりました。
    チ伏字もげてしまえ。

    恋愛脳でなくても、作品を書く時には恋愛脳になれるのなら、その人は恋愛小説を書けるでしょうが、エロ小説はもう一段二段ギアが違うっていうか。
    【おしゃれに、高尚に、美しく】
    こっちのほうがよほど簡単で、

    もうどうしようもなく身体をかきむしりたくなるほどのエロ

    これを文章で書ける人は、相当な腕をもってますよね。
    所詮はエロです。それっぽいことを書いておけばそれらしくなるし、読む人も満足してくれる。
    女性ものよりも男性ものだとより顕著っていうか。それさえあればいいのねっていう。
    エロ漫画なんかも、描写にかける彼らの情熱たるや。延々とそこばかりで、画面がうるせえよ。

    でも、「ああっこの人すごい」に到達するにはなんか色々と、書く人が特異なメンタルもってないと駄目っぽい気が。
    アングラになっちゃうでしょうが。
    それでその「ああ……すごい」エロを書ける人って、今度はかえって受ける印象としては高尚に振り切れるのですよね(笑)
    臓腑をえぐるほどのエロは、高尚になってしまうという。
  • エロは……エロは難しいですね。お決まりパターンでも男は勃っちゃうからそれでいいじゃん、みたいな……逆な複雑というか描写でも心理描写でも凝りすぎると実用性からは遠のくような……🤔

    触手は、なんか昔っからあるような気がしてたんですが(半分ネタとして)、どうやらまだいたいけだった私がオールナイトフジで観た某エロアニメシリーズの一作の超次元伝説ラ○というのが、祖っぽいみたく(春画が起源といわれれば、それはそう)
    とんねるずと女子大生が、問題のシーンを見て、うわっ、となるのですが、そうだよな……地上波で普通に無修正なんだもん……アニメとはいえ、あの衝撃よ……
    「三千年の蜜の味……」とかなんとかいってたよな、確か……

    あれ、何の話でしたっけ?🤔
  • スロ男さん

    スロ男ちゃん、スロ男ちゃんはどんなシチュが好き?(耳をふさぎながら)

    俗に、女性が求めるものはデザートまであるフルコース、男性は牛丼かファストフードっていいますよね~。はだかのお姉さんの写真が一枚あればまあそれでいいみたいな。

    そのわりには、そのわりにはですよ。
    男性の方が、創り出すものに深みとバリエがあるんですよ。フェチが強い。
    フェチが高じて漫画描いてる。
    ただ描くんじゃなくて、執拗に描く。触手なんかも細部の細部までねちねち描き込みますよね。あのリビドーはいったいどこから。
    それで巧い人ほど、猥褻性が芸術の域にはいっちゃう。本来の用途からズレてますが先生……みたいな。
    最初から芸術路線を目指すのでないかぎり、絵が巧すぎても駄目みたい。雑味のある下手ウマくらいの画力の方がわたしは惹きつけられてました。

    なんか語ってますけれど、入り口あたりで、恐れをなして引き返しましたよ(笑)
    何人か「あ、この人すごいわ」と思う人もいたんですが、トータルして、
    「……」
    感のある、魔窟でございました。

    文章の方なら、規制の厳しかった頃にも、あらゆる男性作家があらゆる表現で何とかフェチを作品の中に閉じ込めておられましたよね。
    でもそれは「文学」だったり「ホラー」であって、手軽にその辺にあるポルノとはやっぱりちょっと違うよなぁってなるし。
    フェチらしいフェチなら、惣山沙樹さんが書いてるかな? 運営さんに削除されちゃいましたが、ずっと変わらず、兄弟ネタで猟奇ですよね。

    視覚が圧倒的に優位なジャンルではあります。
    物書きはそこに何とか殴り込みたくて、頑張って書く。
    カクヨムは性的描写について顔をしかめる大人さんが多いのか、おとなしいですよね(笑)
  • 触発されて書いてしまいました笑
    まだまだ比喩を用いた高尚なエロスは書けません😂

    そういうのは朝吹さんの方がずっと上手です。
    翡翠月、行間に漂う遣る瀬無さが良かったです。
    伝わる人間にだけ伝わるような作品書きたい。
  • 深川我無さん

    比喩を用い(または用いず)、ひたすらエロを追求して文章を書く。
    するとあら不思議、高尚なことに……。

    文章なのでそうなっちゃうんでしょうか。
    書けば書くほど作り物臭く嘘っぽくなるのに、高尚に寄っていく。

    昔の文豪の方々も高尚なエロをお書きでしたけれど、なんかもう文字にする時点で、嘘臭さ半端ないことに。そのかわり文学的で高尚。
    そこを「これはそういうものなのだ」と割り切って書かないといけないんでしょうね。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する